- 2026年現在、LOOKの正規代理店が「ペダル」と「フレーム」で分断されている理由と、その背景にある業界再編の真実
- 株式会社ユーロスポーツインテグレーション閉業の経緯と、既存オーナーが直面する「保証孤児」リスクへの具体的対処法
- 株式会社ポディウムによるペダル製品の安定供給体制と、47品目に及ぶ取扱製品の詳細
- 東京・大阪・関東圏で信頼できるLOOK正規取扱店の見つけ方と、店舗選びで必ず確認すべき質問
- LOOK+グローバル保証(生涯保証)の登録方法と、代理店不在でも保証を勝ち取るための自衛策
- 並行輸入品の「安さ」に潜む落とし穴と、損失回避の観点から見た正規ルート購入の合理性
- 中古LOOKを購入する際のチェックポイントと、ISPモデル特有の致命的リスク
- 795 BLADE RS、785 HUEZ、765 OPTIMUMなど主要モデルの在庫状況と入手戦略
憧れのLOOK、だが「どこで買えばいいのか」という霧の中で
ショップの重い扉を押し開け、壁一面に並ぶカーボンフレームを眺めながら、あなたは期待に胸を膨らませていたはずです。
ところが、店主の表情は曇っている。「LOOKですか。いま、入手がちょっと難しい状況なんです」。モニターに映し出された在庫検索画面には「該当なし」の文字。
クリック音だけが虚しく響く――。
そんな場面を、私はここ数か月で幾度となく目撃してきました。
LOOK(ルック)。
1984年に世界初のビンディングペダル「PP65」を世に送り出し、翌年にはベルナール・イノーをツール・ド・フランス5度目の総合優勝へと導いた革新者です。
1986年にはカーボンフレーム「KG86」でグレッグ・レモンがグランツールを制覇し、自転車史に金字塔を打ち立てました。
フランスの誇り高き工芸品のようなそのフレームは、多くのロードバイクライダーにとって「いつかは手に入れたい憧れの一台」であり続けています。
しかし、2025年11月30日。長年LOOKの日本総代理店を務めてきた「株式会社ユーロスポーツインテグレーション」が閉業しました。
これは単なる代理店変更ではありません。企業そのものが事業を停止したのです。
「LOOKを買いたいけれど、どこに相談すればいいか分からない」 「保証はどうなるの?」 「専用パーツは手に入るの?」
全国のライダーから、そんな不安の声が溢れ出しています。週末のライド仲間との時間、年に一度のヒルクライムレースに向けた練習。
もし愛車が壊れたら、その大切な時間を失ってしまうかもしれない。
パーツが手に入らないという恐怖は、スペックの問題ではなく、あなたの「生活の質」に直結する問題なのです。
でも、ご安心ください。
この記事では、2026年現在のLOOK正規代理店の最新情報から、信頼できる取扱店の選び方、そしてLOOK本社が提供するグローバル保証「LOOK+」の活用法まで、あなたが知りたいすべてを網羅しています。
さあ、最後までお付き合いください。
「羨望」と「革新」の系譜|カーボンを制したベルナール・イノーの記憶

LOOKというブランドを語るとき、そこには単なる「自転車メーカー」という言葉では収まりきらない重みがあります。彼らは二度にわたって、サイクリングの歴史そのものを書き換えてきたのですから。
1984年、すべてはペダルから始まった|ビンディングの発明者
あなたがいま当たり前のように使っているビンディングペダル。足をカチッとはめ込み、効率よくペダリングするあのシステムは、LOOKが生み出したものです。
1984年以前、ロードレースの世界ではシューズとペダルを革のストラップで固定する「トゥークリップ」が主流でした。ふとした転倒で足が外れない危険性、そして締め上げる手間。LOOKはスキーのビンディングからヒントを得て、クリートをペダルにワンタッチで装着できる画期的なシステムを開発したのです。
1985年、伝説のレーサー、ベルナール・イノーがこのペダルを使用してツール・ド・フランスで5度目の総合優勝を果たしました。
彼の力強いペダリングを支えたのは、LOOKの革新でした。
この勝利をきっかけに、ビンディングペダルはプロトンのスタンダードへと一気に駆け上がっていきます。
現在、シマノやタイムなど多くのメーカーがビンディングペダルを製造していますが、その原点がLOOKにあることは紛れもない事実です。
1986年、カーボンフレームの夜明け|KG86とグレッグ・レモンの勝利
ペダルの成功に満足することなく、LOOKは翌年、自転車史に残る金字塔を打ち立てます。カーボンフレーム「KG86」の投入です。
当時、ロードバイクのフレーム素材といえばスチール(クロモリ)が常識でした。
アルミニウムですら「軽いけど乗り心地が硬い」と敬遠されていた時代に、LOOKは航空宇宙産業で使われていたカーボン繊維強化プラスチック(CFRP)に目を付けたのです。
軽く、強く、そして形状の自由度が高いこの素材こそが、自転車の未来を切り開くと確信していました。
1986年のツール・ド・フランス。アメリカ人のグレッグ・レモンがKG86に乗り、見事総合優勝を飾りました。
カーボンフレームによるグランツール制覇は史上初の快挙。この瞬間から「カーボンこそがロードバイクの未来だ」という認識が世界中に広まっていったのです。
LOOKは単なる自転車メーカーではありません。自転車の進化そのものを牽引してきたイノベーターなのです。
なぜ日本でLOOKは「特別」なのか|ヒルクライマーの憧れ
日本市場において、LOOKは独特の存在感を放っています。その理由の一つが、日本のライダーに人気の「ヒルクライム」との相性の良さでしょう。
LOOKの代表モデル「785 HUEZ(ユエズ)」は、フランス・アルプ・デュエズ峠の名を冠したクライミングマシンです。
軽量で高剛性、そして振動吸収性に優れたその乗り味は、富士ヒルクライムや乗鞍ヒルクライムを目指す国内ライダーにとって、まさに理想的な選択肢となっています。
つづら折りの山道を登り切ったとき、HUEZのロゴが汗に光る。そんな瞬間を夢見る人は少なくありません。
さらに、LOOKのフレームは美しいペイントワークと独自のカーボンレイアップ技術「ナノレイヤーテクノロジー」で知られています。
これは、カーボンシートを通常よりも薄くすることで、最適な場所に最適な量の素材を配置し、軽さと強度を両立させる技術です。
見た目の美しさと走行性能を高次元で融合させたLOOKは、単なる「機材」を超えた「工芸品」としての価値を持っているのです。
「混乱」と「分断」の2024-2025年|代理店事情の激変を紐解く

さて、ここからは少し複雑な話になります。なぜペダルだけが生き残り、フレームは宙に浮いてしまったのか。その謎を解き明かしていきましょう。
ユーロスポーツインテグレーションの時代|日本市場を支えた功績
2024年以前、日本におけるLOOK製品の流通は、株式会社ユーロスポーツインテグレーション(以下、ESI社)がほぼ一手に担っていました。
ESI社は単なる輸入商社ではなく、LOOK社の「日本の顔」として機能していたのです。
ESI社が築いた最大の功績は、「対面販売ポリシー」の徹底にあります。
LOOKのロードバイクは、量販店やオンラインショップで安売りされることなく、厳選された正規販売店(Authorized Dealer)でのみ購入可能でした。
これにより、購入者は必ず専門知識を持ったスタッフからフィッティングを受け、適切なサイズのバイクを手に入れることができたのです。
「LOOKはプロショップで買うもの」
この文化は、ESI社の徹底したブランド管理によって醸成されたものでした。
また、LOOK独自のパーツ、たとえばエアロステム「ADS」や専用クランク「ZED」などの技術サポートも、ESI社を通じて国内で完結していました。
これが多くのユーザーにとって大きな安心材料となっていたことは間違いありません。
2025年1月、ペダル事業の分離|ポディウム社への一本化
変化の兆しは2024年から見え始めていました。
2024年1月、株式会社ポディウムがLOOKペダルの取り扱いを開始し、一時的にESI社との「2社並行体制」が生まれます。
そして2025年1月1日、LOOK社アジア太平洋地域マネージャーであるパスカル・ナヴァロ氏の方針により、ペダル製品の日本国内流通は株式会社ポディウムへ完全に一本化されました。
この動きは、流通効率化という観点から理にかなったものでした。
ポディウム社は既にTIME(タイム)のペダルやCinelli(チネリ)などの欧州ブランドを取り扱っており、ペダル事業の専門性とノウハウを持っていたからです。
サイクルスポーツ誌の報道によれば、この変更はLOOK本社が正式に発表したものであり、ペダル製品に関しては安定したサポート体制が構築されることとなりました。
しかし、ここで一つの疑問が浮かびます。
「では、フレームはどうなるのか?」
当時の発表では、フレームおよび完成車については「従来通りユーロスポーツインテグレーションが正規代理店となる」とアナウンスされていました。
ペダルはポディウム、フレームはESI。この棲み分けは、しかし長くは続きませんでした。
2025年11月30日、ESI社閉業|フレーム代理店の「空白」が生まれた日
2025年11月30日。株式会社ユーロスポーツインテグレーションは閉業しました。
これは代理店契約の終了ではなく、企業そのものの事業停止です。
公式サイトにはその旨が告知され、長年のパートナーであったLOOKフレーム事業は、引き継ぎ先が明確にならないまま宙に浮く形となりました。
この閉業が市場に与えた影響は甚大です。
まず、2025年モデルとして流通していた795 BLADE RSや785 HUEZなどは、各販売店の店頭在庫として残るのみとなりました。
新規の入荷ルートが途絶えたことで、人気モデルの在庫は急速に減少。サイクルショップカンザキ吹田店のブログでも「全サイズ完売」の報告が相次いでいます。
さらに深刻なのは、保証の問題でしょう。
通常、代理店が変更になる場合は業務の引き継ぎが行われますが、「閉業」という形をとったことで、ESI発行の保証書を持つユーザーへの対応窓口が一時的に消失するリスクが生じました。
これは、既存オーナーにとって大きな不安要素となっています。
「なぜペダルだけが生き残ったのか?」
その答えは、事前に分離が完了していたからです。
2025年1月の時点で、ペダル事業はすでにポディウム社へ移管されていました。フレーム事業だけがESI社に残された「最後の砦」となり、その砦が崩れたとき、フレーム部門のみが取り残されてしまったのです。
「安心」と「空白」の二重構造|2026年現在の正規代理店と購入ルートを徹底解説

では、2026年現在、LOOKの製品はどこで、どのように購入できるのでしょうか。
製品カテゴリーによって状況は全く異なります。一つずつ、丁寧に見ていきましょう。
ペダル製品は安心のポディウム体制|KEOシリーズからパワーメーターまで
まず明るいニュースからお伝えします。
LOOKペダル製品に関しては、株式会社ポディウムによる安定した正規供給体制が確立されています。
ポディウム社の公式サイトを確認すると、LOOKペダルは47品目がリストアップされております。
ロード用ビンディングペダル「KEO」シリーズ
MTB・グラベル用の「X-TRACK」シリーズ
パワーメーター内蔵ペダルなど
最新機種まで網羅されています。消耗品であるクリートの入手性も安定しており、一般的なサイクルショップで問題なく購入可能です。
ポディウム社は既にTIMEペダルなどの取り扱い実績があり、そのノウハウがLOOKペダルのサポートにも生かされています。
初期不良対応や修理受付も同社が窓口となっており、ユーザーは安心してLOOKペダルを購入・使用できる環境にあるといえるでしょう。
【株式会社ポディウム 基本情報】
| 項目 | 内容 |
| 所在地 | 奈良県奈良市北之庄西町2-8-15 |
| 資本金 | 2,000万円 |
| 創業 | 1992年9月 |
| 代表者 | 菅田尚希 |
| 事業内容 | 自転車関連商品の輸入卸 |
フレーム・完成車は「代理店不在」状態|現在の流通ルートの正体
一方、フレームセットおよび完成車の状況は、正直に申し上げて深刻です。
ESI社閉業後の2026年1月時点で、「LOOKフレームの日本正規総代理店」を公式に名乗る企業の存在は確認されていません。
ポディウム社がペダルに続きフレームも引き継ぐのではないか、という観測もありました。
しかし、同社の2026年ブランドリストには「LOOK PEDALS」と明記されており、フレーム(BIKES)は含まれていません。
また、過去に日直商会がLOOKの一部製品(プラットフォームペダル等)を扱った実績はありますが、現在の主要取り扱いブランドはDE ROSAなどであり、LOOKフレームの総代理店となった形跡は見当たりません。
では、現在店頭に並んでいるLOOKバイクはどこから来ているのでしょうか。その答えは主に3つあります。
1. ESI社時代の「流通在庫」
2025年11月以前に出荷された在庫が、各プロショップの店頭に残っています。これが現在最も多い流通ルートです。
2. ショップごとの「直接輸入」または「暫定措置」
ワイズロードやサイクルショップカンザキなどの大手取扱店は、LOOK本社と直接のアカウントを持っているか、あるいは暫定的な輸入代行業者を通じて入荷している可能性があります。
3. 「並行輸入」
海外通販サイトや非正規ルートで流入する個体ですが、これらは日本の「正規保証」の対象外となるリスクが高いため、推奨できません。
信頼できる取扱店を見つける|東京・大阪・主要エリアのLOOK正規販売店
代理店機能が停止していても、販売の最前線である「プロショップ」は稼働しています。LOOK本社は現在も公式サイトの「Dealer Locator」にて日本の店舗を掲載しており、これらの店舗が事実上のサポート拠点となっています。
2026年の調査に基づく主要なLOOK取扱店をご紹介しましょう。
【主要LOOK取扱店一覧】
| 地域 | 店舗名 | 特徴 |
| 大阪・吹田 | サイクルショップカンザキ吹田店 | LOOKに精力的。在庫情報を積極的に公開。対面販売を厳守 |
| 東京・上野/御茶ノ水 | ワイズロード | LOOK強化店。チェーン店ならではの在庫網を活用可能 |
| 埼玉・上尾 | セオサイクル上尾イースト店 | 関東圏の有力店。Dealer Locatorに掲載あり |
| 神奈川・横須賀 | Pro Shop UNO | 老舗プロショップ。長年の取り扱い実績 |
| 千葉・松戸 | Cycles Marmotte | ディーラーリストに掲載。地域密着型の対応 |
店舗選びで最も重要なのは、次の質問を具体的に投げかけることです。
「代理店がない現状で、フレームが破損した場合の対応プロセスはどうなりますか?」
「当店が直接本社とやり取りします」
「過去の事例でも対応できています」
といった明確な回答が得られる店舗を選ぶべきでしょう。
曖昧な対応しかできない店での購入は、避けた方が賢明です。
「安さ」の代償を知る|並行輸入のリスクとギャンブルの期待値

LOOKのフレームやバイクを海外通販サイトで見つけ、「日本より安いから」という理由で購入を検討する方もいるかもしれません。
とはいえ、並行輸入にはいくつかの重大なリスクがあることを、正直にお伝えしなければなりません。
正規保証が受けられない可能性
まず、日本国内の「正規保証」が受けられない可能性が高いです。
LOOK本社のグローバル保証「LOOK+」は本来、購入国を問わず適用されるはずですが、日本に正規代理店が不在(または曖昧な)現状では、その保証を誰がどのように履行するのかが不透明です。
専用パーツの入手困難
次に、専用パーツの入手が困難になります。
LOOKのバイクには独自規格のステムやシートポスト、ケーブルガイドなどが使われており、これらが破損した場合、正規ルートでの調達が難しくなります。
特に795 BLADE RSのような高度にインテグレーションされたモデルでは、汎用品での代用が不可能なケースも多いのです。
プロショップでの「持ち込みお断り」
さらに、プロショップでの「持ち込みメンテナンス」を断られる可能性もあります。
多くのショップは、他店購入品や並行輸入品の整備を受け付けないか、あるいは正規購入品より高額な工賃を設定しています。
損失回避の観点から見た「割に合わない賭け」
ここで、行動経済学の知見を借りてみましょう。
人間は「得をする喜び」よりも「損をする恐怖」を約2.5倍強く感じると言われています(プロスペクト理論)。
並行輸入で5万円安く買えたとして、その喜びはどれほど続くでしょうか。
一方、50万円以上のフレームが保証を受けられずにゴミになる恐怖は、どれほどの重さでしょうか。
期待値で考えてみましょう。
- 取得方法:並行輸入価格と正規価格の差額を算出
- 計算式:(節約額 × 問題が起きない確率)-(フレーム損失額 × 問題が起きる確率)
- 結果:仮に5万円安く買えても、10%の確率で50万円のフレームが使えなくなるなら、期待値は「マイナス」
この計算を自分で行ってみてください。
「5万円安く買う喜び」と
「50万円のフレームがゴミになる恐怖」を
天秤にかけたとき、後者の重みが圧倒的に大きいことに気づくはずです。
それでも、あなたはこの賭けに乗りますか?
正規ルートで購入する方が、トータルコストで有利になる可能性が高いのです。
「孤児」となった保証への対処法|LOOK+グローバル保証を使いこなす

ESI社経由でLOOKを購入した方の手元には、ESI発行の保証書があるはずです。しかし、発行元企業が消滅した今、その紙自体が持つ効力には不透明な部分があります。
ここで重要なのは、第一次的なアフターケアの責任は「販売店」にあるという原則です。
購入店との関係維持が命綱
日本の消費者契約法や商習慣において、購入した店舗が最初の相談窓口となります。
良心的なプロショップであれば、ESI閉業後もLOOK本社と直接やり取りをして、クレーム処理を代行してくれる可能性があります。
したがって、既存オーナーにとって最も重要なのは「購入店との関係維持」です。
購入時のレシートや保証書は大切に保管し、定期的にメンテナンスを依頼するなど、ショップとの信頼関係を築いておくことが、万が一の際の命綱となります。
LOOK+グローバル保証の仕組み|あなたの「最後の砦」
日本の代理店状況に関わらず、LOOK本社はグローバルな保証プログラム「LOOK+」を提供しています。これが現在の日本ユーザーにとって、最も有力な自衛手段です。
【LOOK+保証プログラム一覧】
| 保証の種類 | 期間 | 対象 | 条件 |
| 法定保証 | 2年間 | フレーム・フォーク | 製造上の欠陥。登録不要 |
| 生涯保証 | 生涯 | 2018年6月以降製造のフレーム・フォーク | 購入後30日以内の登録必須。初代オーナー限定 |
| ペダル延長保証 | 3年間 | ペダル製品 | 購入後30日以内の登録必須 |
| クラッシュリプレイスメント | – | 事故破損フレーム | 割引購入プログラム。日本での適用要確認 |
今すぐやるべき「製品登録」|具体的な手順と必要書類
すべてのLOOKユーザー、特に2024年以降に購入した方は、購入後30日以内にLOOK公式サイトで製品登録を行う必要があります。
これを怠ると、生涯保証の権利を失うことになりかねません。
登録はLOOK公式サイト(lookcycle.com)内の「Warranty Registration」ページから行います。
必要な情報は、フレームのシリアルナンバー(通常、BB付近やヘッドチューブに刻印)と、購入証明書(レシート、領収書)の画像です。
これらを入力・アップロードすることで、フランス本社のデータベースに「正規オーナー」として登録されます。
この登録が完了していれば、日本の代理店を介さずとも、LOOK本社に直接(または新たな代理店を通じて)保証を請求できる道が残されます。
代理店不在の現在、この製品登録こそが最強の自衛策なのです。
スペアパーツの確保|ディレイラーハンガーは生命線
LOOKオーナーが常に気にかけておくべきなのが、専用パーツの確保です。
特に「ディレイラーハンガー」は、落車時に最も折れやすく、かつ入手困難になりやすいパーツでしょう。
正規代理店からの供給が安定していない現在、ディレイラーハンガーを店舗在庫で見つけることは難しくなっています。
Amazonや楽天などのECサイトでサードパーティ製(互換品)を探す必要があるケースも増えてきました。
私が強くお勧めするのは、愛車のディレイラーハンガーの予備を常に1〜2個、自力で確保しておくことです。
海外通販サイト(Bike24やMerlin Cyclesなど)を活用すれば、正規品を取り寄せることも可能です。
また、専用のヘッドベアリング、BBアダプター、ケーブルガイドなども、消耗するパーツ。これらの予備も、機会を見つけて確保しておくと安心です。
「焦燥」と「決断」のモデル別入手戦略|795 BLADE・785 HUEZ・765 OPTIMUM

ここからは、LOOKの主要モデルごとの現状と入手戦略についてお伝えします。
どのモデルも在庫は逼迫しており、「見つけたら即決」が基本姿勢となります。
795 BLADE RS|究極のエアロロード、その魅力とリスク
795 BLADE RS(ブレード)は、チーム・コフィディスが使用するLOOKのフラッグシップモデルです。
エアロダイナミクスを極限まで追求し、ハンドル・ステム周りのケーブルを完全内装化したその姿は、まさに「走る芸術品」と呼ぶにふさわしい美しさを持っています。
しかし、この高度な統合設計は、メンテナンス面でのリスクも伴います。
専用のコンボハンドルバーやステム、そして独自のシートポスト「Aeropost 4」は、万が一破損した場合、汎用品で代用することができません。
ESI社があった時代は国内倉庫からパーツを取り寄せられましたが、現在は店舗在庫がない場合、フランス本社からの取り寄せとなり、数週間から数か月の時間を要する可能性があります。
「真のコスト」を算出してみましょう。
- 取得方法:在庫処分価格+リスクヘッジ費用
- 計算式:(定価880,000円 × 0.7)+(予備ハンガー代15,000円 × 2個 + 海外送料5,000円)= 651,000円
- 結果:それでも「正規の安心」を完全には買えない。パーツ入手不能になった場合の機会損失は、プライスレス
価格面では、フレームセット定価880,000円となっていますが、一部の店舗では在庫処分的な動きも見られ、30%オフなどの価格設定も確認されています。
これは代理店変更・消滅時の典型的な現象(在庫の現金化)であると考えられます。
785 HUEZ|ヒルクライマーの夢、しかし在庫は絶望的
785 HUEZ(ユエズ)は、LOOKが誇るクライミングバイクです。
ナノレイヤーテクノロジーを用いた軽量フレームは、BB周辺やヘッドチューブの剛性を強化しつつ、振動吸収性を高めた絶妙なバランスを実現しています。
フランス・アルプ・デュエズ峠の名を冠したこのモデルは、日本のヒルクライムファンにとって長年の憧れでしょう。
しかし残念ながら、2025年モデルの785 HUEZは、ほとんどのショップで「全サイズ完売」となっています。
サイクルショップカンザキ吹田店の情報でも、入荷情報と同時に完売報告が出ており、次期入荷の目処が立たない状況です。
もし785 HUEZを手に入れたいのであれば、複数の取扱店に問い合わせを入れ、在庫が見つかった場合は「即断即決」する覚悟が必要です。迷っている時間はありません。
765 OPTIMUM PLUS|エンデュランスロードの入口
765 OPTIMUM PLUS(オプティマム)は、LOOKの中では比較的エントリー寄りに位置づけられるエンデュランスモデルです。
長距離での快適性を重視した設計で、フラックスファイバー(亜麻繊維)を使用するなど、振動吸収性に優れた乗り心地が特徴。価格も795や785に比べて抑えめで、LOOKブランドへの入り口として人気がありました。
しかし、このモデルも主要サイズは完売傾向にあります。エントリー〜ミドルグレードを担う765の供給不足は、LOOKブランドの裾野拡大にとって痛手といえるでしょう。
「いつかは795や785に乗りたいけど、まずは765で」と考えていた方にとっては、選択肢が狭まる厳しい状況です。
2026年モデルの展望|コフィディスはカンパニョーロへ
2026年シーズンに向け、LOOK社はプロチーム・コフィディスとのパートナーシップを更新しました。
注目すべきは、コンポーネントがシマノからカンパニョーロ(Super Record Wireless、Bora Ultra WTO)へ変更されたことです。
新カラー「Iconic Black Radial」などのデザインも発表されています。
しかし、日本市場への影響を考えると、楽観はできません。
日本ではシマノのシェアが圧倒的であり、カンパニョーロ仕様の完成車が正規輸入される可能性は低いと考えられます。
また、これらの新モデルを日本国内で正規ルートとして予約・購入できる窓口が、現時点では不明確なままです。
「覚悟」と「戦略」のタイプ別購入ガイド|新車・中古・既存オーナー

2026年の日本でLOOKのロードバイクを購入することは、ある種のリスク許容を伴う行為です。
しかし、その性能と美しさは依然として代えがたい魅力があります。ここでは、タイプ別の戦略をお伝えしましょう。
新車購入を検討している方へ|「在庫即決」しかない現実
新車を狙うなら、「在庫即決型」の戦略を取るしかありません。
ターゲット
2025年モデルの店頭在庫です。
アクション
ワイズロードやサイクルショップカンザキなど、大手LOOK取扱店の在庫リストを日々チェックしてください。
自分のサイズが見つかったら、迷わず即断即決することをお勧めします。
「取り寄せ」は事実上「納期未定(または受注停止)」と同義であると考えた方が現実的です。
必須確認事項
購入時には必ず店員に対し、「代理店がない現状で、フレームが破損した場合の対応プロセスはどうなりますか?」と具体的に質問してください。
「当店が直接本社とやり取りします」
「過去の事例でも対応できています」
といった明確な回答が得られるショップを選ぶべきです。
中古購入を検討している方へ|自己責任の覚悟と確認ポイント
中古市場(Cycly(サイクリー)やメルカリなど)でLOOKのバイクを見つけることは可能です。
しかし、中古購入には明確なリスクがあることを理解しておいてください。
最重要ポイント
LOOKの生涯保証は「初代オーナーのみ」に適用され、譲渡不可です。つまり、中古で購入した時点で、メーカー保証はゼロになります。
それでも中古で購入するなら、以下の点を必ずチェックしてください。
専用パーツの揃い具合
ステム、シートポスト、独自のケーブルガイド等がすべて揃っているか確認すること。欠品があると、後から調達するのは困難を極めます。
ISPモデルのカット長さ
ISP(インテグラルシートポスト)モデルの場合、カット済みの長さが自分の体格に合うかを確認してください。ISPは一度カットすると元には戻せません。これは致命的な問題になりえます。
既存オーナーへ|愛車を守るための「予防保全」
既にLOOKのバイクを所有している方へ。この「冬の時代」を乗り越え、愛車を維持し続けることこそが、真のLOOKオーナーとしての資質が試される局面です。
最優先アクション:消耗品の確保
専用のヘッドベアリング、BBアダプター、ディレイラーハンガーは、海外通販(Bike24、Merlin Cycles等)を利用してでも、予備を持っておくことを強くお勧めします。国内で手に入らなくなってからでは遅いのです。
ショップとの連携強化
メンテナンスを依頼しているショップが、LOOKの取り扱いを継続しているか確認しましょう。
そして、まだ製品登録をしていない方は、今すぐLOOK公式サイトで登録を完了させてください。
これがあなたの最後の命綱となる可能性があります。
Q&A|よくある質問に専門家が回答

- 2026年現在、LOOKの正規代理店はどこですか?
製品カテゴリーによって異なります。ペダル・クリート製品は株式会社ポディウムが正規代理店として安定した供給を行っています。
一方、フレーム・完成車については、2025年11月30日のユーロスポーツインテグレーション閉業以降、公式な総代理店は不在の状態です。
- ESI社で購入したLOOKの保証はどうなりますか?
ESI発行の保証書の効力は不透明な部分がありますが、まずは購入した店舗に相談してください。
良心的なプロショップは、LOOK本社と直接連絡を取ってサポートを代行してくれる場合があります。また、LOOK公式サイトで製品登録(LOOK+)を済ませていれば、本社の保証プログラムを通じて対応を求めることも可能です。
- LOOKのロードバイクはどこで購入できますか?
LOOK公式サイトの「Dealer Locator」に掲載されている正規販売店で購入できます。東京ではワイズロード、大阪ではサイクルショップカンザキ吹田店が代表的です。
ただし、在庫は流動的なので、事前に問い合わせることをお勧めします。通信販売は行われておらず、対面販売が原則です。
- 並行輸入でLOOKを購入するリスクは
正規保証が受けられない可能性が高いこと、専用パーツの調達が困難になること、プロショップで持ち込みメンテナンスを断られる可能性があることが主なリスクです。
長期的なトータルコストを考えると、正規ルートでの購入が賢明でしょう。
- LOOK+(生涯保証)を受けるにはどうすればいいですか?
購入後30日以内に、LOOK公式サイト(lookcycle.com)の「Warranty Registration」ページで製品登録を行う必要があります。
シリアルナンバーと購入証明書の画像をアップロードすることで、生涯保証の対象となります。
2018年6月1日以降製造のフレーム・フォークが対象で、初代オーナー限定です。
- ディレイラーハンガーなどの専用パーツはどこで買えますか?
正規代理店からの供給が不安定な現在、店舗在庫がない場合はAmazonや楽天でサードパーティ製を探すか、海外通販サイト(Bike24、Merlin Cycles等)で正規品を取り寄せることになります。
予備を1〜2個確保しておくことを強くお勧めします。
- 795 BLADE RSや785 HUEZは今でも購入できますか?
非常に厳しい状況です。多くのサイズが「完売」となっており、次回入荷の目処も立っていません。
購入を希望する場合は、複数の取扱店に問い合わせ、在庫が見つかり次第、即決する覚悟が必要です。
あなたの「最高の一台」を、信頼できるショップで
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
LOOKのロードバイクは、単なる「機材」ではありません。
それは、100年を超えるヨーロッパの自転車文化と、フランスの工芸精神が宿った「芸術品」です。
もし、あなたがLOOKの購入を検討しているなら、まずは最寄りの正規取扱店に足を運んでください。
店頭で実車を見て、触れて、そしてスタッフと話をしてください。
「この店なら、何かあっても相談できる」と思える場所を見つけることが、最初の一歩です。
また、既にLOOKオーナーの方は、今すぐ製品登録(LOOK+)を確認し、まだ済んでいなければ今日中に完了させてください。
そして、ディレイラーハンガーの予備を一つ、ネットで探してみましょう。
この「冬の時代」は、あなたが「真のオーナー」になるための試練かもしれません。困難に立ち向かい、愛車を守り抜く。その覚悟を持つあなたこそが、LOOKというブランドにふさわしい持ち主なのです。
まとめ|2026年のLOOK、「冬の時代」を乗り越えるために

2026年のLOOK日本市場は、ペダルにおいては「安定(ポディウム体制)」、フレームにおいては「過渡期の混乱(ESI閉業後の代理店不在)」という、極端な二面性を持っています。
改めて、現在の正規代理店に関する回答をまとめましょう。
ペダル: 株式会社ポディウムが2026年初頭時点で安定した供給を行っています。
フレーム: 不在。2025年11月30日のESI閉業以降、公式な継承者は発表されていません。
この状況の中で、私たちユーザーができることは限られています。
しかし、それでも
「信頼できるプロショップをパートナーに選ぶこと」
「製品登録(LOOK+)を確実に行うこと」
「専用パーツの予備を確保すること」
という三つの自衛策を講じれば、この混乱期を乗り越えることは十分に可能です。
LOOKというブランドは、常にサイクリングの「美学」と「革新」を追求してきました。1984年のビンディングペダル、1986年のカーボンフレーム。
その精神は今も変わりません。現在の代理店不在という状況は、ユーザーにとって不便ではありますが、製品そのものの価値を損なうものではないのです。
この「冬の時代」は、いつか終わります。新しい代理店体制が整い、再び安定した供給とサポートが戻ってくる日が来るでしょう。その日まで、愛車を大切にメンテナンスし、一緒に走り続けてください。
あなたのバイクライフが、LOOKとともに最高のものになることを願っています。
参考文献・引用
※本記事は、以下の資料・データに基づき作成いたしました。
※本記事の情報は2026年1月時点のものです。
最新の在庫状況や価格については、各販売店の公式サイトまたは店頭でご確認ください。モデル年式や仕様は予告なく変更される場合があります。
※スペック情報について:本記事のスペック情報は2026年1月時点のものです。詳細は、各メーカーのHP等でご確認ください。
※安全に関する注意:ロードバイクは車両です。道路交通法を遵守し、ヘルメット着用、適切な装備での走行を心がけてください。
不安な場合は、必ずプロショップに相談してください。
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