ロードバイクに乗りながら音楽を楽しみたい。でも、交通量の多い道を走るとき、周囲の音が聞こえないのは心配ですね。そこで、安全性と音楽の両立を目指すサイクリストに注目されているのが、「オープンイヤーイヤホン」です。
この新しいタイプのヘッドホンは、耳を塞がずに音楽を楽しめるため、自転車の運転中でも周囲の音をキャッチしやすい構造になっています。法的にも使用が認められているケースが多く、ロードバイク愛好家の間で人気が高まっているのです。
しかし、オープンイヤーイヤホンにもメリットとデメリットがあります。音質や装着感は従来のイヤホンとは異なりますし、使い方によっては危険が伴う可能性も。そこで本記事では、ロードバイクにおけるオープンイヤーイヤホンの安全な活用法を解説。正しい知識を身につけて、ライディングをより楽しくエキサイティングなものにしていきましょう!
この記事を読んでわかること ・オープンイヤーイヤホンとロードバイクの安全な組み合わせ方 ・自転車でのイヤホン使用に関する法律と規制 ・オープンイヤーイヤホンと骨伝導イヤホンの違いと特徴 ・ロードバイク用オープンイヤーイヤホンの選び方とおすすめ製品 |
オープンイヤーイヤホンとロードバイク:安全性と法律

オープンイヤーイヤホンの仕組みと特徴
オープンイヤーイヤホンは、耳を完全に塞がずに音を伝える新しいタイプのヘッドホンです。従来のイヤホンやヘッドホンとは異なり、音を外耳道に直接送り込むのではなく、耳の付け根あたりから音を伝える仕組みになっています。 この独特な構造により、オープンイヤーイヤホンには以下のような特徴があります。
・周囲の音が聞こえやすく、外部の音と音楽を同時に聴ける ・耳への圧迫感が少なく、長時間の装着でも疲れにくい ・耳の形状にフィットしやすく、激しい動きでも外れにくい |
こうした性質から、オープンイヤーイヤホンはランニングやロードバイクなどのスポーツシーンでの使用に適していると言われています。特に、交通量の多い道路を走行するロードバイクにおいては、周囲の音を確実にキャッチできる点が安全性の向上につながるでしょう。
ロードバイクでのオープンイヤーイヤホン使用は違法?
自転車運転中のイヤホン・ヘッドホン使用を巡っては、安全性の観点から議論の的になっています。電車やバスの優先席付近でも、「イヤホンの音漏れが気になる」といった苦情をよく耳にします。
法律の面から見ると、道路交通法上、自転車の運転中にイヤホンやヘッドホンを使用することを直接的に禁止する条文はありません。しかし、「安全運転義務」に違反するとみなされる可能性はあるため、十分な注意が必要です。
周囲の音が聞き取りづらくなるような大音量での使用は控えるべきでしょう。事故リスクの増加だけでなく、法的責任を問われる恐れもあるからです。
出典元:警察庁交通局交通指導課「イヤホン又はヘッドホンを使用した自転車利用者に対する交通指導取締り上の留意事項等について(通達)」
東京都など都市部での自転車イヤホン規制
全国的な法規制はない一方で、条例によってイヤホン・ヘッドホン使用を規制している自治体もあります。代表例が東京都で、「東京都道路交通規則第8条第5号」により、「高音で、またはイヤホン等を使用してラジオ等を聴きながら運転してはならない」と定められています(ただし、安全な運転に必要な音や声が聞こえる場合は除きます。)が、骨伝導ヘッドホンおよびオープンイヤー型ヘッドホンに関する記述はありません。片耳のみの使用や、骨伝導ヘッドホンおよびオープンイヤー型ヘッドホンは「イヤホン」に該当しないと解釈されるため、上記条例の適用外となる可能性はあります。
各都道府県によって条例が異なるため、走行する地域の条例を確認することが重要です。とはいえ、「黙認」はあくまで取り締まりの優先順位が低いというだけなので、油断は禁物です。
結論として、自転車で音楽を楽しむなら、周囲の音が聞こえるオープンイヤー型イヤホンを選び、適切な音量で安全運転を心がけましょう。
出典元:※東京都道路交通規則第8条第5号:高音でカーラジオ等を聴き、又はイヤホン等を使用してラジオ等を聴くなど安全な運転に必要な交通に関する音又は声が聞こえないような状態で車両等を運転しないこと。ただし、難聴者が補聴器を使用する場合又は公共目的を遂行する者が当該目的のための指令を受信する場合にイヤホン等を使用するときは、この限りでない。
オープンイヤーイヤホンと骨伝導イヤホンの比較

続いては、ロードバイク利用時の観点から、オープンイヤーイヤホンと骨伝導イヤホンの特性を比較していきます。
音質と音漏れの違い
オープンイヤーイヤホンと骨伝導イヤホンは、どちらも耳を塞がずに音を伝える点で共通していますが、音質面では大きな違いがあります。
オープンイヤーイヤホンは、スピーカーから出た音を耳介の反射を利用して鼓膜に届ける方式です。一方、骨伝導イヤホンは、頭蓋骨を伝わる振動を内耳に直接伝えることで音を認識します。つまり、空気振動を利用するか、骨の振動を利用するかという点で、両者の音伝達メカニズムが異なるのです。
この構造上の違いから、一般的にオープンイヤーイヤホンは、骨伝導イヤホンよりも自然で高音質な音を再現できる傾向にありますが、製品によって音質は異なります。周囲への音漏れは避けられない場合があります。
一方、骨伝導イヤホンは音漏れが少ない反面、十分な低音が得にくい傾向があり、音質面で物足りなさを感じるユーザーもいるようです。 結論として、より自然で臨場感のあるサウンドを求めるなら、オープンイヤーイヤホンがおすすめです。
周りへの配慮を最優先したい方には、骨伝導イヤホンのほうが適しているでしょう。ロードバイクの利用シーンに合わせて、適材適所で使い分けるのが賢明だと言えます。
装着感と疲労度の比較
次に、装着感の観点から両者を比べてみましょう。オープンイヤーイヤホンは、耳への装着圧が低く、快適に長時間使用できる点が魅力です。耳を圧迫する従来型イヤホンとは異なり、耳の形状にフィットするので、ズレや外れの心配も少ないでしょう。
一方の骨伝導イヤホンは、耳の前部分にヘッドホン本体を当てる必要があり、長時間の装着で痛みを感じることがあります。また、サングラスやヘルメットのフレームと干渉しやすく、ロードバイクでの使用時に不便を感じるケースも。骨伝導イヤホンの振動が、体質によっては不快に感じる人もいるようです。
このように、装着感と疲労度の面からは、オープンイヤーイヤホンにアドバンテージがあると言えるでしょう。ただし、ロードバイクに乗る際は、ヘルメットとの干渉具合もチェックしておく必要があります。事前に実際に装着して、使い勝手を確かめておくことをおすすめします。
ロードバイク利用時の安全性
最後に、ロードバイク利用時の安全性について考えてみましょう。結論から言えば、周囲の音が聞こえやすいという点で、オープンイヤーイヤホンと骨伝導イヤホンは五分五分だと言えます。
オープンイヤーイヤホンは、外耳を塞がないため、周囲の音をダイレクトにキャッチできます。一方、骨伝導イヤホンは振動を通して音を伝えるため、外部の音が多少聞き取りづらくなる可能性はあります。
しかしながら、骨伝導イヤホンでも、周囲の音をブロックしてしまうような「騒音制御機能」は搭載されていません。適度なボリュームで使用すれば、警告音や車の接近音に気づくことは十分可能でしょう。 オープンイヤーイヤホンにせよ骨伝導イヤホンにせよ、ロードバイクでの使用に際しては、音量の調整がカギを握ります。”ながら運転”では、音楽を聴くこと以上に、安全確認を優先すべきです。周りの交通状況に常に注意を払いながら、節度を持ってイヤホンを活用するよう心がけましょう。
ロードバイク用オープンイヤーイヤホンの選び方

ロードバイクでオープンイヤーイヤホンを使用する際は、安全性や利便性を十分に考慮した製品選びが不可欠です。ここでは、選定のポイントを詳しく解説していきます。
音量調整と周囲音の聞こえ方
オープンイヤーイヤホンは耳を塞がずに使用するため、周囲の音が聞こえやすいのが特徴です。しかし、製品によって外部音の取り込み具合には差があります。ロードバイクで使う際は、車の接近音や警告音がはっきりと認識できるものを選ぶことが重要でしょう。
また、音量調整の利便性も見逃せません。運転中に片手で簡単に操作できるよう、イヤホン本体やケーブル上にボリュームボタンが付いているかどうかもチェックしておきましょう。
フィット感と安定性
ロードバイクは振動が大きく、激しい上下運動を伴うスポーツです。そのため、左右のイヤホンがしっかりと耳にフィットし、脱落しにくいことが何より大切。耳への装着部分に柔軟性のあるイヤーフックや専用のカバーが付属しているかどうかを確認しておきましょう。
また、ケーブルの長さやコントローラーの位置にも注意が必要です。ハンドル操作の邪魔にならないよう、最適な長さのケーブルを選ぶことをおすすめします。
防水性能とバッテリー持続時間
ロードバイクに乗る際は、雨や汗によってイヤホンが濡れる可能性があります。故障を防ぐためにも、防水・防滴性能の高さは選定の重要なポイントと言えるでしょう。ロードバイクに乗る際は、雨や汗によってイヤホンが濡れる可能性があります。
故障を防ぐためにも、防水・防滴性能の高さは選定の重要なポイントと言えるでしょう。「IPX5」以上の防水等級を目安に、使用環境に合わせてより高い防水性能を持つ製品を選ぶことも検討しましょう。
加えて、バッテリーの持続時間にも目を向けたいところ。長距離ライドを楽しむためには、連続再生時間が5時間以上あることが望ましいでしょう。
音漏れ対策と周囲への配慮
オープンイヤーイヤホンは、通常のイヤホンに比べて音が漏れやすいのがデメリット。特に公道を走行するロードバイクでは、周囲への配慮が欠かせません。
この点については、音漏れを軽減する設計の製品を選ぶのがベストです。たとえば、耳から少し離れた位置にスピーカーを配置することで、音の指向性を高めているものもあります。実際の使用感をレビューなどでチェックしておくのも良いでしょう。
いかがでしょうか。以上4つのポイントを踏まえれば、ロードバイクでも満足いく使用感が得られるオープンイヤーイヤホンが選べるはずです。
安全運転を第一に、音楽を聴きながらのサイクリングを思う存分楽しんでください。
おすすめのロードバイク用オープンイヤーイヤホン
ここからは、ロードバイクでの使用に適したオープンイヤーイヤホンを具体的にご紹介します。音質、装着感、機能性に優れた3つのモデルを厳選しましたので、ぜひ参考にしてみてください。
高音質モデル:ショックスオープンラン
最初におすすめするのが、完全ワイヤレスタイプの「ショックスオープンラン」です。このモデルは、耳を塞がずに臨場感のあるサウンドを楽しめる点が最大の魅力。独自開発のドライバーユニットにより、クリアな中高音域と迫力の重低音を実現しています。
装着感も抜群で、イヤホンを支えるU字型のイヤーフックが耳にしっかりフィット。激しい運動でも外れにくく、ストレスなく使用できます。IPX5相当の防水性能も備えているため、突然の雨にも対応可能。音声ガイダンス機能やタッチセンサー搭載で、使い勝手も申し分ありません。
コスパ重視モデル:nwm(ヌーム)
次に紹介するのは、手頃な価格帯ながら高い基本性能を誇る「nwm(ヌーム)」です。小型軽量ボディに、9mmドライバーを搭載。臨場感あふれるサウンドを楽しめます。周囲との音のバランスに配慮しつつ、ながら聴きに適した設計となっています。
イヤーフック部分には柔軟性のあるシリコン素材を採用し、フィット感と安定性を高めているのもポイント。IPX4相当の生活防水性能を備えているほか、最大10時間の連続再生が可能な大容量バッテリーも搭載。通勤ライドから本格的なツーリングまで、幅広いシーンで活躍が期待できます。
多機能モデル:BOSE Ultra Open Earbuds
最後は、高い音質と利便性を兼ね備えた「BOSE Ultra Open Earbuds」です。BOSEならではの上質なサウンドはそのままに、耳を塞がない開放型デザインを採用。自然な装着感で、長時間の使用でも疲れにくくなっています。
周辺環境音の取り込みもスムーズで、ロードバイクでのライディング時の安全性に配慮した作りになっているのが特長です。音声アシスタントにも対応し、ハンズフリーでの操作が可能。マイクにはノイズキャンセリング機能が搭載されているため、風切り音の多い屋外での通話品質も良好です。
以上、ロードバイクでの使用におすすめのオープンイヤーイヤホン3モデルをご紹介しました。それぞれに特長がありますので、ご自身の予算やニーズに合わせて選んでみてください。安全運転を心がけつつ、サイクリングライフを音楽でさらに充実したものにしていきましょう。
オープンイヤーイヤホンのQ&A
最後に、オープンイヤーイヤホンに関する代表的な疑問についての回答をご用意いたしました。ロードバイクでの使用を検討している方は、ぜひチェックしてみてください。
Q1:オープンイヤーイヤホンの欠点は?
A1:オープンイヤーイヤホンは周囲の音が聞こえやすい反面、音漏れが起こりやすいのが欠点です。特に静かな環境では、隣の人に音が筒抜けになってしまう恐れがあります。
また、一般的なイヤホンと比べると音質面で劣る部分があり、繊細な音の表現は苦手と言えるでしょう。ノイズキャンセリング機能は備わっていないため、周囲の騒音が気になることもあるかもしれません。
Q2:自転車でオープンイヤーは違反になる?
A2:道路交通法上、自転車の運転中にイヤホンやヘッドホンを使用することを直接的に禁止する規定はありません。ただし、以下の点に注意が必要です。
・周囲の音が聞こえなくなるような大音量での使用は避ける ・各都道府県の条例を確認する(特に都市部では規制が厳しい場合がある) ・東京都では「安全な運転に必要な音が聞こえない状態」での運転が禁止されている |
基本的に、周囲の音が適度に聞こえる音量であれば、違反になる可能性は低いでしょう。
出典元:※イヤホン又はヘッドホンを使用した自転車利用者に対する交通指導取締り上の留意事項等について(通達)・警察庁交通局交通指導課
Q3:オープンイヤーイヤホンは体に悪い?
A3:オープンイヤーイヤホンは、耳への圧迫感が少なく、長時間装着しても痛くなりにくいのが特長です。この点で、耳の健康被害を引き起こすリスクは低いと言えます。一方で、骨伝導イヤホンは頭蓋骨に直接振動を与えるため、使用感に個人差があります。長時間使い続けると、頭痛やめまいを感じる人もいるようです。両者を比較した場合、人体への影響は概してオープンイヤーイヤホンのほうが少ないと考えられています。
以上、オープンイヤーイヤホンに関するよくある質問とその回答をお届けしました。製品選びの際は、ご自身の使用環境やライフスタイルに合わせて、メリットとデメリットを見極めることが大切です。最適なイヤホンを見つけて、ロードバイクライフをより一層エンジョイしてください。
まとめ:ロードバイクとオープンイヤーイヤホンの安全な楽しみ方
朝の通勤ライド、週末の郊外ロングライド、グループライドなど、シーンによってオープンイヤーイヤホンの活用法は変わります。通勤時は交通量が多いため、低〜中音量設定で車の接近音を確実に聞き取れるようにしましょう。音楽よりもポッドキャストなど比較的穏やかな音声コンテンツがおすすめです。
一方、郊外の交通量が少ないエリアでは、自然の音を楽しみながらも、モチベーションを高める音楽を流すことができます。リズミカルな曲は、ペダリングのリズムを整えるのにも役立ちます。
また、グループライドでは、仲間とのコミュニケーションが重要です。この場合は片耳のみの使用や、特に音量を控えめにするなどの配慮が必要でしょう。
オープンイヤーイヤホンは、ロードバイクでの使用に適した新しいタイプのヘッドホンです。耳を塞がずに周囲の音が聞こえるため、安全性の高いサイクリングを楽しめます。現在の日本の法律では、自転車運転中のオープンイヤーイヤホン使用を直接的に禁止してはいません。ただし、大音量で周囲の音が聞こえないような使い方は控えましょう。
音質や音漏れの観点では、骨伝導イヤホンよりもオープンイヤーイヤホンのほうが優れています。一方、骨伝導イヤホンは頭蓋骨への振動の影響が懸念されます。
オープンイヤーイヤホンを選ぶ際は、周囲音の聞こえ方、フィット感、防水性、バッテリー持続時間などをチェックすることが重要です。
おすすめのモデルとして「ショックスオープンラン」「nwm(ヌーム)」「BOSE Ultra Open Earbuds」の3製品を紹介しました。自分に合ったイヤホンを見つけてください。
安全運転とマナーを守ることを大前提に、オープンイヤーイヤホンを活用すれば、ロードバイクの楽しみ方の幅がさらに広がるはずです。
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