- ペダルが回らない症状を「完全固着」「回転抵抗増大」「周期的異音」「空回り」の4タイプに分類し、原因を特定する方法
- チェーンを外して行う「分離テスト」で、BB・ペダル・後輪のどこに問題があるか診断する手順
- 駆動系トラブル(ペダル固着、BB異音、チェーン錆)の具体的な対処法
- ブレーキ引きずりやフリーハブ故障など、後輪周りのトラブル原因と解決策
- ショップ依頼時の修理工賃相場と、DIY派におすすめのコスパ工具ブランド
はじめに
週末のライドを楽しみにしていたのに、朝一番でペダルを踏み込んだ瞬間、ズシッと嫌な重さが足裏に伝わる。
「あれ、昨日まで普通に走れていたのに……」と思いながらもう一度踏み込むと、今度はクランクが石のようにビクともしない。
冷や汗がにじむ。
高価なカーボンフレームが終わったのかもしれない、という恐怖がよぎる。
こうした経験をされた方は、決して少なくないでしょう。
私自身、30年以上にわたってロードバイクに携わってきましたが、「ペダルが重い」「回らない」という相談は、実に多岐にわたる原因から生じます。
駆動系はすべてのパーツがチェーンで連結されているため、後輪のトラブルがクランクの重さとして感じられることもあれば、その逆もあり得るのです。
「ペダルが重い」と思って調べてみたら、原因はブレーキの引きずりだった、というケースも珍しくありません。
この記事では、ペダルが回らない・重いという症状を、論理的な診断フローに沿って原因特定する方法をお伝えします。
闇雲に部品を交換するのではなく、まずは問題の所在を「切り分ける」こと。それが無駄な出費を防ぎ、愛車と長く付き合うための第一歩となるはずです。
絶望からの脱出──「動かない」を解き明かす診断フロー【完全ガイド】

ペダルが回らないとき、多くのライダーは
「チェーンが悪いのでは」
「ペダルが壊れたのでは」
と、つい単一の原因を疑いがちです。
けれども、駆動系は複数のパーツが歯車のように連動しています。正確な診断には「分離して確認する」というプロセスが欠かせません。
「完全に固着」か「重いだけ」かを見極める
最初に確認すべきは、症状の「程度」でしょう。
体重をかけてもクランクが1ミリも動かない状態と、回ることは回るけれど泥の中を走っているような重さを感じる状態では、原因がまるで違います。
完全固着の場合、ベアリングの焼き付き、異物の噛み込み、あるいは錆による癒着が疑われます。
特に雨天走行後に放置したり、ローラー台で大量の汗を浴びせたりした後は要注意。金属部品同士が腐食して動かなくなっている可能性があるからです。
この状態で無理に力をかけると、工具が破損したりフレームを傷めたりするリスクがあるため、まずは冷静に状況を把握しましょう。
一方、回転抵抗の増大の場合は、グリスの劣化、シールの変形、チェーンの油切れなどが複合しているケースが多いですね。「最近、注油をサボっていたかも」という心当たりがあれば、まずはチェーンへの注油を試す価値があるでしょう。
さらに、クランクを回した際に特定の角度でのみ「カクッ」と引っかかる、あるいは「パキパキ」と音がする「周期的抵抗」も存在します。
これはベアリング内部の鋼球が破損しているか、チェーンの特定リンクが固着している(スティッフリンク)サインかもしれません。
そして、クランクは軽く回るのに自転車が前に進まないという症状。
これはフリーハブのラチェット機構が破損している可能性を示唆しています。
「ペダルが空回りする」と表現される方が多いですが、駆動力がホイールに伝わっていない状態です。
チェーンを外して原因箇所を特定する分離テスト
診断の核心は「分離」にあります。
チェーンがかかった状態では、クランクの重さがBB(ボトムブラケット)によるものか、後輪によるものか判別できません。
そこで、チェーンをフロントインナーの内側(BBシェル側)へ意図的に脱落させ、クランクと後輪の機械的連結を解除するのです。
まず、チェーンを外す前に視覚的検査を行いましょう。
チェーンがフロントチェーンリングとフレームの間、あるいはスプロケットとスポークの間に落ちて噛み込んでいないか確認します。
チェーンがフレームに挟まるとテコの原理で強力にロックされ、ペダルはまったく動かなくなることがあるのです。
また、リアディレイラーのプーリーケージにチェーンが正しく通っているかもチェックしてください。
初心者がメンテナンス後に走行した際、プーリーガイド板の外側をチェーンが通っていて動かなくなった、という事例は意外と多いものです。
これらの視覚的検査で問題がなければ、いよいよ分離テストに移ります。
チェーンをインナー側に落としたら、クランクを手で勢いよく回してみてください。
正常であれば、数回転スムーズに回り、静かに止まるはず。
手を離した瞬間にピタッと止まる、あるいは回すのに強い力が必要な場合は、BB(ボトムブラケット)に原因がある可能性が高いでしょう。
クランク・ペダル・後輪のどこに問題があるか
分離テストでクランク・BB系に異常が見つからなければ、次はペダル単体を疑います。
クランクを回した際、ペダルが常に同じ面を上に向けて水平を保とうとするか観察してください。
ペダルがクランクと一緒に回転してしまったり、指で弾いても回らなかったりする場合は、ペダル軸のベアリングに問題があります。
続いて、後輪を持ち上げて手で勢いよく回してみましょう。
回転がすぐに止まり「シュー」という接触音がすれば、これは駆動系ではなくブレーキの調整不良です。
ディスクブレーキの引きずりか、リムブレーキのシュー接触が疑われます。
「ゴリゴリ」という感触や振動がフレームに伝わる場合は、ハブ軸のベアリングが損傷しているサインでしょう。
さらに、クランクを止めた状態でホイールを空転させた際、スプロケットが連れ回りしてしまう、あるいはチェーンがたるむ場合は、フリーボディ内部のラチェット(爪)が固着しています。
本来、ペダルを止めてもホイールは惰性で回り続けるはずですが、フリーハブが正常に機能していないと動力伝達に異常が生じるのです。
最後に、チェーン単体も確認しましょう。
チェーン全体を指でつまみ、すべてのリンクがスムーズに屈曲するかチェックします。一箇所でも固まって動かないリンク(スティッフリンク)があると、プーリー通過時に抵抗となり、ペダリングに周期的な衝撃を与えます。
【原因特定フローチャート】
| 症状(チェーン分離後) | 診断される原因箇所 | 推定される不具合内容 |
| クランクが重い・回らない | BB(ボトムブラケット) | ベアリングの錆、グリス枯渇、水没による固着 |
| ペダル軸が回らない | ペダル | 軸受の焼き付き、玉当たり調整過多、異物混入 |
| 後輪がすぐに止まる | ホイール/ブレーキ | ブレーキ引きずり、ハブベアリング虫食い |
| スプロケットが空転しない | フリーハブ | ラチェット爪の破損、グリス固着、浸水 |
| 特定箇所で跳ねる | チェーン | リンク固着(サビ・変形)、プレート変形 |
愛車からの悲鳴を聞け──駆動系トラブルの正体【ペダル・BB・チェーン】

分離テストで原因箇所が特定できたら、いよいよ具体的な対処に移りましょう。
ここでは駆動系の中核を担うペダル、BB、チェーンについて、なぜトラブルが起きるのか(メカニズム)を理解しながら、適切な解決策を解説します。
ペダルのベアリング固着とグリス切れ
ペダルはライダーの出力を直接受け止める部品であり、地面に最も近いため、泥水や砂埃の直撃を受けやすい宿命にあります。
シマノのSPD-SLなどに代表されるロードバイク用ペダルは、軸部分に微細な鋼球(ボールベアリング)を使用しています。
シール(ゴムパッキン)が劣化して水が侵入すると、グリスが乳化して潤滑性能を失い、ボールとレース(受け皿)が直接接触して摩耗が進行するのです。
興味深いことに、「ハンドスピナーのようにいつまでも回り続けるペダルが良品」という誤解があります。
実は、高品質なグリスとしっかりしたシールが効いている正常なペダルは、指で弾くとヌルっと数回転して止まる「適度な粘性抵抗」を持っているもの。
逆に「シャーッ」と軽く回りすぎる場合、それはグリスが劣化している可能性があり、遠からず焼き付きを起こすサインかもしれません。
ペダルのメンテナンス戦略としては、
軸部分への外部からの注油(簡易処置)
分解してのグリスアップ(本格処置)
重度の場合は交換
という3つの選択肢があります。
シマノ製ペダルの一部は専用工具(TL-PD40など)で分解可能ですが、105グレード以下などは分解が推奨されていないモデルも存在します。
固着したペダルを外す際は、右ペダルが正ネジ(反時計回りで緩む)、左ペダルが逆ネジ(時計回りで緩む)という点に注意してください。
覚え方は「後輪側にレンチを倒すと緩む」です。これを間違えると、ペダルをさらに締め込んでしまい、クランクを破損させるリスクがあります。
BB(ボトムブラケット)の異音と回転不良
BBはフレームの最下部に位置するため、ダウンチューブやシートチューブから内部に侵入した水が最終的に溜まる場所です。
雨天走行後や洗車後に放置すると、ベアリング内部に水が滞留しやすい構造的な弱点を抱えています。
現代のロードバイクで主流の「アウトボードBB(ホローテックII等)」は、ベアリング径を大きく取れる反面、外部環境にさらされやすいという弱点があります。
一度ベアリング内部が錆びると、多くの場合、洗浄での回復は困難であり、カートリッジごとの全交換(Assy交換)が標準的な対処法となるでしょう。
プレスフィットBB(近年のカーボンフレームに多い圧入式)の場合は、叩き出し工具と圧入工具という高額かつ専門的な機材が必要となり、異音の原因も複雑(フレーム精度の問題など)になるため、初心者のDIY範囲を超えることが多いです。
プレスフィットBBの異音に悩んでいる方は、無理をせずプロショップに相談することをおすすめします。
なお、BB規格について補足すると、フレーム側の規格(ねじ切り式のJIS/ITAと圧入式のプレスフィット)と、クランク側の規格(シマノのホローテックIIなど)は別軸の話となります。
また、BBの交換では、工具とBBの規格(溝の数や直径)が一致していないと作業できない点にも注意が必要です。
シマノのホローテックIIだけでも数種類のサイズがあるため、購入前に現物の直径を測るか、アダプター付きの工具を選ぶと汎用性が高まります。
チェーンの錆・固着・伸びの判別法
チェーンは数千個の部品の集合体であり、その一つ一つの隙間にオイル膜が必要な消耗品です。
「チェーンが伸びる」という表現をよく耳にしますが、これは金属プレートが伸びるのではなく、ピンとローラーが摩耗して隙間が広がり、結果として全長が長くなる現象を指します。
伸びたチェーンはスプロケットの歯を削り取り、駆動系全体の寿命を縮めてしまうのです。
雨天走行後に注油を怠ると、ピンとプレートの間で酸化(錆)が発生し、リンクが固着します。
この「スティッフリンク」がプーリーを通るたびに「ガチャン」という抵抗を生み、ペダリングに周期的な衝撃を与えます。
軽度であれば、固着したリンク部分にチェーンルブを多めに差し、チェーンを横方向に優しく抉るように動かすことで改善する場合もあります。
しかし、錆びて動かない場合はチェーンカッターでそのコマを切断し、ミッシングリンクで繋ぎ直すか、チェーン全体を新品に交換するのが確実でしょう。
チェーンの伸びを確認するには、チェーンチェッカーという工具が便利です。
0.75%と1.0%の基準で測定でき、「まだ使えるか」を感覚ではなく数値で判断できます。定期的にチェックすることで、スプロケットの寿命を延ばすことにもつながります。
見えない敵を暴く──ブレーキとフリーハブの潜伏場所【制動系・回転系】

ペダルが重い原因は、駆動系だけとは限りません。ブレーキの引きずりやフリーハブの故障も、「回らない」「重い」という症状として現れることがあります。
ここでは見落としがちな制動系・回転系のトラブルについて解説します。
ブレーキの引きずりで後輪が回らない
後輪を持ち上げて空転させたとき、すぐに止まって「シュー」という接触音がする場合、ブレーキが常に軽くかかった状態(引きずり)になっている可能性が高いです。
ディスクブレーキの場合、キャリパーの位置がわずかにずれているだけでローターに干渉します。
また、パッドが偏摩耗していたり、ピストンの戻りが悪くなっていたりするケースもあるでしょう。
リムブレーキであれば、シューの位置調整で解決することが多いですが、ホイールのセンター(車軸とフレームの位置関係)がずれている可能性も考慮してください。
ブレーキの引きずりは、単に「重い」というだけでなく、摩擦熱によるパッドの早期消耗やローターの歪みを引き起こすこともあります。
雨上がりの走行後や洗車後にペダルが重いと感じたら、まずブレーキ周りをチェックしてみましょう。
ブレーキ調整に自信がない場合は、無理をせずショップに依頼することをおすすめします。ブレーキは安全に直結する部品であり、試走前に必ず効き具合を確認する習慣をつけてください。
フリーハブ故障でペダルが空回りする
「ペダルを踏んでも自転車が進まない」
「クランクがスカスカに軽い」
という症状は、フリーハブの故障を疑うサインです。
フリーハブの内部には「ラチェット」と呼ばれる爪の機構があり、ペダルを踏んだときだけ動力をホイールに伝え、惰性走行中はホイールが自由に回転できるようにしています。
この爪が破損したり、グリスが固着して動かなくなったりすると、踏んでも進まない、あるいは噛み合いが遅れるという症状が出ます。
フリーハブの故障は、スプロケットを外して内部を確認する必要があるため、ある程度の工具と知識が必要です。
爪の動きが悪いだけであればグリスアップで改善することもありますが、爪自体が摩耗・破損している場合はフリーボディの交換が必要になります。
フリーボディの交換費用は、部品代を含めて10,000円〜20,000円程度が一般的な完成車ホイールでの目安となります。高額に感じるかもしれませんが、ホイール全体を買い替えるよりは経済的です。症状が出たら早めにショップに相談しましょう。
財布と相談する前に──修理工賃の相場と工具選びのコツ

原因が特定できたら、次は「ショップに依頼するか、自分で直すか」という判断が必要になります。
ここでは修理工賃の相場と、DIY派向けの工具選びのポイントを解説します。
ショップ依頼時の工賃目安一覧
自転車の修理工賃は、店舗や地域、車種の状態によって変動します。
以下は2026年2月時点での目安であり、大手チェーン店および首都圏プロショップの公開工賃を参照したものです。部品代は別途必要となる点にご注意ください。
| 修理内容 | 工賃の目安(税込) | 備考 |
| ペダル交換(左右セット) | 1,500円〜2,000円 | 固着時は追加料金の場合あり |
| BB交換(ホローテックII) | 3,500円〜5,000円 | 規格により変動 |
| BBオーバーホール | 4,500円〜6,000円 | 分解清掃・グリスアップ |
| チェーン交換 | 2,000円〜3,000円 | 段数により変動 |
| スプロケット交換 | 1,300円〜2,000円 | チェーン交換と同時推奨 |
| ブレーキ調整 | 500円〜1,500円 | 軽微な調整は無料の場合も |
| フリーボディ交換 | 3,000円〜5,000円 | 部品代は別途10,000円〜 |
参考までに、大手チェーン店のサイクルベースあさひでは、
ペダル交換(左右セット)の工賃が1,760円(税込)
BB交換が3,500円〜
という料金設定になっています(同社公式サイト参照)。
プロショップでは若干高めの設定となる場合が多いですが、スポーツバイクに精通したメカニックによる作業という安心感があります。
工賃が高いと感じるかもしれませんが、修理は作業完了するまで正確な値段がわからないという原則があります。
「パンク修理だけのつもりが、チューブもタイヤもダメだった」というケースは珍しくありません。事前に概算を確認し、追加作業が必要な場合は都度説明を受けるようにしましょう。
DIY派におすすめのコスパ工具ブランド
自分で修理に挑戦したい方のために、工具選びのポイントをお伝えします。Amazonや楽天には、プロ用の「ParkTool(パークツール)」から激安ノーブランドまでが混在しています。初心者は何を基準に選ぶべきでしょうか。
工具の品質は「精度」「材質(硬度・粘り)」「耐久性」で決まります。大きく3つのティア(階層)に分けて考えると選びやすくなるでしょう。
Tier 1:ゴールド・スタンダード(Shimano、ParkTool)
世界中のプロショップで使用される基準。精度が極めて高く、ボルトを舐めるリスクが低いです。
価格は高めですが、チェーンカッターやスプロケット外しなど、精度や力が重要な工具では、予算が許す限りこのクラスを選ぶべきでしょう。
Tier 2:ハイ・コストパフォーマンス(PWT、Bike Hand、GORIX)
主に台湾のOEM工場で製造されているブランド群です。
Tier 1に近い設計と品質を持ちながら、ブランド料が乗っていないため価格は半額〜2/3程度。
とくにPWTは、Amazonや楽天でのレビュー評価が高い傾向にあり、精度のバラつきが少ないことで支持されています。
自分でメンテナンスしたい方にとってのスイートスポットといえるでしょう。
Tier 3:激安ノーブランド・セット品
「自転車工具セット 20点入り ¥3,000」のような商品。
材質が柔らかく、高トルクをかけると工具自体が曲がったり、最悪の場合は自転車側のネジ山を破壊したりするリスクがあります。
緊急用としても避けることをおすすめします。
賢い戦略は、
高トルク・高精度が必要な工具(ペダルレンチ、チェーンカッター)はTier 1またはTier 2使用頻度が低い工具(BBツール、チェーンチェッカー)はTier 2
消耗品(ウエス、ブラシ)は100円ショップで代用、という具合に使い分けることです。
【おすすめ工具リスト】
| 用途 | 推奨商品 | 価格目安 | 選定理由 |
| ペダル脱着 | PWT ペダルレンチ 15mm PW-163 | 約1,800円 | 全長350mmで固着ペダルにも対応 |
| BB取り外し | PWT BB-FIXG または Bike Hand YC-27BB | 約1,800円 | 工具外れ防止のスクリューフィックス機能 |
| クランク脱着 | Shimano TL-FC16 | 約350円 | 純正品で確実な嵌合 |
| チェーン切断・接続 | PWT CT-03R | 約2,200円 | 全金属製で剛性が高い |
| チェーン摩耗診断 | PWT CC-01 | 約800円 | 0.75%と1.0%の基準で測定 |
| グリスアップ | Shimano プレミアムグリス | 約1,200円 | 耐水性・耐圧性に優れた万能グリス |
Q&A

- ペダルが片側だけ重いのですが、原因は何でしょうか?
片側だけ重い場合は、その側のペダル軸ベアリングの不具合が最も疑われます。グリス切れ、異物混入、あるいは玉当たり調整の締めすぎが原因として考えられるでしょう。
まずは当該ペダルを外し、軸を手で回してゴリゴリ感やガタつきがないか確認してください。
異常があればペダルの交換またはオーバーホールが必要です。
- 洗車後にペダルが回らなくなりました。何が原因ですか?
洗車時の高圧水がベアリング部分に侵入し、グリスを流出させた可能性があります。
BBやペダルのシール部分は、正面からの水には強くても、斜めからの高圧噴射には弱いのです。洗車後はチェーンやベアリング部分への注油・グリスアップを習慣にしましょう。
すでに固着してしまった場合は、パーツクリーナーで洗浄後、グリスアップまたは交換が必要となります。
- ペダルが固着して外れません。どうすればいいですか?
まず、回す方向を再確認してください。
右ペダルは「正ネジ」なので反時計回りで緩みます。左ペダルは「逆ネジ」なので時計回りで緩みます。
方向が正しいのに外れない場合は、浸透潤滑剤(KURE 5-56など)を噴射して一晩置き、翌日に柄の長いペダルレンチで体重をかけて一気に緩めます。じわじわ力をかけると舐めやすいので、瞬間的に力を入れるのがコツです。
それでも外れない場合は、ヒートガンを使う方法もありますが、これはプロに任せるべき領域でしょう。
- 自転車屋に修理を持ち込むとき、何を伝えればいいですか?
以下の3点を伝えると、スムーズに診断が進みます。
- 症状:「ペダルが重い」「異音がする」「空回りする」など具体的に
- 発生状況:「雨の日の翌日から」「洗車後に」「特定のギアで」など
- 心当たり:「最近注油をサボっていた」「転倒した」「ローラー台を使った」など
事前に症状を整理しておくと、メカニックも原因を絞り込みやすくなります。
- 応急処置でペダルが回るようにする方法はありますか?
出先でのトラブルなら、まずチェーンが正しく経路を通っているか確認してください。
チェーン落ちなら、手で戻すだけで解決することが多いです。
チェーンの錆や油切れが原因で重い場合、緊急避難的に食用油を少量差す方法もありますが、帰宅後は必ず完全に脱脂洗浄し、専用ルブに入れ替えてください。食用油は酸化しやすく、放置すると固着の原因になります。
ベアリングの固着による完全固着は、出先での応急処置は難しいため、最寄りのショップまで押し歩くか、ロードサービスの利用を検討しましょう。
まとめ

「ペダルが回らない」というトラブルは、愛車が発している「メンテナンス不足」のシグナルともいえます。
この記事でお伝えした診断フローに沿って、まずは落ち着いてチェーンを外し、問題箇所をBB、ペダル、後輪のいずれかに切り分けることが解決への第一歩でしょう。
原因の切り分けには、4つの症状タイプを把握しておくことが役立ちます。
完全固着は、
①ベアリングの焼き付きや異物噛み込み
②回転抵抗の増大はグリス劣化やチェーンの油切れ
③周期的抵抗はスティッフリンクやベアリング破損
④空回りはフリーハブのラチェット故障
が主な原因です。
DIYで対応できる範囲と、プロに任せるべき領域を見極めることも大切です。
固着が酷すぎてびくともしない、ネジ山を舐めてしまった、原因が特定できないといった状況に直面したら、無理をせずショップに持ち込んでください。
工具の破損や怪我、フレーム損傷のリスクを考えれば、プロの技術料は決して高くありません。
手が汚れたその分だけ、バイクとの対話は深まります。
次の週末、踏み込んだ瞬間に感じる「軽さ」は、単なる物理現象ではなく、あなたが愛車を救った証。
週末の空いた時間に愛車と向き合い、ロードバイクライフの質を自らの手で向上させていきませんか。
参考文献・引用
※本記事は以下の資料・データに基づき作成しました。
※本記事の情報は2026年2月時点のものです。最新の在庫状況や価格については各販売店の公式サイトまたは店頭でご確認ください。
※安全に関する注意:ロードバイクは車両です。道路交通法を遵守し、ヘルメット着用、適切な装備での走行を心がけてください。
- サイクルベースあさひ. (n.d.). 自転車修理工賃.
https://www.cb-asahi.co.jp/lp/service/maintenance/price/ - Shimano Inc. (n.d.). ディーラーマニュアル.
https://si.shimano.com/ - Park Tool. (n.d.). Repair Help.
https://www.parktool.com/ - PWT. (n.d.). 製品情報.
https://store.shopping.yahoo.co.jp/pwt/ - GCN Tech. (n.d.). How To Easily Service Shimano Pedals. YouTube.
https://www.youtube.com/watch?v=xB6Yueqebbc

