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LOOK 765 オプティマム インプレ

LOOK 765 オプティマム インプレ|40代の首・腰の痛みが消えた?100km走で検証

この記事を読んでわかること
  • LOOK 765 OPTIMUMが「疲れにくい」と断言できる素材工学的根拠(フラックスファイバーと3D Wave)
  • TREK DomaneやSpecialized Roubaixといったギミック搭載車との決定的な「乗り味」の違い
  • ブルベや超長距離ライドで、なぜこのバイクだと「前年より速く」完走できるのか
  • 完成車重量やタイヤクリアランス、T47 BBといったスペックの「カタログに載らない」実態
  • 所有する喜びを満たすLOOKというブランドの資産価値と、購入後のアップグレード戦略

はじめに

「若い頃は、路面の凹凸さえも『情報』として楽しめたのに、今はそれが『苦痛』でしかない」

週末の峠道、休憩中のライダーたちが漏らすそんな言葉を、私は幾度となく耳にしてきました。

40代、50代と年齢を重ねるにつれ、情熱は衰えていないのに、身体が悲鳴を上げる。
翌日の仕事に響く背中の張り、ライド後半に襲ってくる首の痛み。

かつて愛したレーシングバイクの鋭利な剛性が、まるで自分を拒絶するかのように牙をむく瞬間がある。

「もう、ロングライドは引退時なのだろうか?」
もしあなたがそう感じているのなら、諦める前に試してほしい一台があります。

LOOK 765 OPTIMUM。

ペダルを踏み込んだ瞬間、そのバイクはアスファルトの上を滑るように進み出します。耳に届くのは、風を切る音だけ。
タイヤが路面を叩く不快なノイズは、魔法のように消え去っています。

これは単なる「柔らかい自転車」ではありません。30年以上にわたりカーボンという素材と対話し続けてきたLOOKが導き出した、「大人が長く走り続けるための最適解(Optimum)」なのです。

これから語るのは、スペックシートの数字だけでは決して伝わらない、あなたを再び「終わらない旅」へと誘う魔法の絨毯の真実です。

静寂と麻繊維! ギミックを捨てた「パッシブ・サスペンション」の正体

ロードバイクの進化は、ある意味で「振動との戦い」の歴史でした。

多くのメーカーが、サスペンションや可動リンクといった「機械的なギミック」でこの問題に挑む中、LOOKは全く異なるアプローチを選びました。

それが、素材と形状そのもので振動を消し去る「パッシブ(受動的)・サスペンション」という思想なのです。

カーボンと「麻」の融合? 素材で振動を殺す設計思想

まず、LOOK 765 OPTIMUMのフロントフォークとチェーンステーを触ってみてください。見た目は美しいカーボンですが、その内側には、自転車業界の常識を覆す素材が隠されています。

フラックス(亜麻)繊維」です。

通常、高弾性(ハイモジュラス)カーボンは、ライダーのパワーを推進力に変える「剛性」において右に出るものはありません。
しかし、その代償として、路面からの微細な高周波振動(ロードバズ)をそのままライダーの身体へと伝えてしまいます。これが、長距離ライドにおける筋肉疲労の正体です。

LOOKは、このカーボンの積層間に、天然素材であるフラックス繊維をサンドイッチ状に挟み込む「カーボ・フラックス・テクノロジー」を開発しました。

植物由来のフラックス繊維は中空構造を持っており、その内部に含まれる空気がクッションとなって、不快な振動だけを吸収・減衰させるのです。

想像してみてください。硬いカーボンの芯があり、その周りを柔軟な麻が包み込んでいる状態を。
ペダリングの力は芯のあるカーボンがしっかりと受け止め、路面からのザラつきは麻が吸収して消してしまう。

だからこそ、LOOK 765は「進むのに、快適」という矛盾した性能を両立できるのです。
これは重量増を招く機械的なギミックを使わずに快適性を手に入れる、まさに「素材の魔術師」LOOKならではの回答といえるでしょう。

3D Wave ステーが可能にした「板バネ」のような柔軟性

素材だけではありません。LOOKは「形状」にも魔法をかけました。

リアトライアングル(後輪を支える三角形の部分)を真横から見てください。シートステーが定規で引いたような直線ではなく、艶めかしい曲線を描いていることに気づくはずです。

これが「3D Wave」テクノロジーです。

シートステーに設けられた2箇所の偏平加工(屈曲点)が、路面からの突き上げに対して「板バネ」のようにしなり、物理的に衝撃をいなします。
メーカーの技術資料によれば、この形状により垂直方向の柔軟性(コンプライアンス)は前作比で最大20%も向上しているとされています。

しかし、ここで重要なのは「ただ柔らかいだけではない」という点です。この偏平加工は、横方向に広がった形状をしています。
つまり、ダンシングでバイクを左右に振ったり、スプリントで大きな力をかけたりした時の「横剛性」は、がっちりと確保されているのです。

「快適なバイクは、踏んでも進まない」。
そんな古い常識は、この3D Waveの前では無力です。

サドルの上で跳ねるような衝撃は消え失せ、タイヤが路面に吸い付くようなトラクションだけが残る。
LOOK 765は、快適性を追求した結果、逆に「速さ」を手に入れた稀有なエンデュランスバイクなのです。

納得と実測値! 現行 765 OPTIMUM 2の実力を解剖する

感情的な魅力の裏付けとして、現実的なスペックにも目を向ける必要があります。
大人の趣味において、「整備性」や「規格の信頼性」は、長く付き合うための必須条件だからです。

気になる重量とBB規格:T47採用の「信頼」というメリット

「エンデュランスロードは重いから、登りが辛いのではないか?」そう懸念する方も多いでしょう。

確かに、LOOKのクライミングモデルである785 HUEZのような「羽のような軽さ」はありません。しかし、765 OPTIMUM 2のシステム重量は、決して失望するものではありません。

フレーム単体の重量は約1,000g、フォークが約400g。合計して約1,400gというのが、このバイクの心臓部の重量です。
ディスクブレーキ対応、かつこれだけの振動吸収素材を内蔵していることを考えれば、これは十分に軽量な部類に入ります。

実際に乗ってみると、BB周りの剛性が高いため、数値以上の軽快さを感じることができます。

そして、最も称賛したいのが、ボトムブラケット(BB)にねじ切りの「T47規格(85.5mm幅)」を採用したことです。

一時期のロードバイク界を席巻した「圧入式BB」は、軽量化には寄与しましたが、経年劣化による「音鳴り」やメンテナンスの難しさが大きな課題でした。

T47は、大口径シャフト(30mm軸)にも対応できる高い剛性を持ちながら、ねじ切り構造によって確実な固定と容易なメンテナンスを実現しています。

旅先でのトラブルや、数年後のオーバーホールを考えたとき、この「整備性の良さ」は、カタログスペックには表れない最大の安心感となるはずです。

タイヤクリアランスの真実:34mmは本当に使える?

現代のエンデュランスロードにおいて、タイヤ幅は乗り心地を決定づける最重要ファクターです。
LOOK 765 OPTIMUM 2の公式スペックでは、最大タイヤクリアランスは「34mm」と謳われています。

しかし、ここは少し注意を促しておきましょう。

最近のホイールは「ワイドリム化(内幅21mm以上)」が進んでおり、同じ28cや30cのタイヤを履かせても、実測幅が表記より太くなる傾向があります。
私の経験やユーザーからのフィードバックに基づくと、公式上限の34mmを入れると、フレームとの隙間がギリギリになるケースがあります。

現実的な最適解(スイートスポット)は、「28c〜32c」です。30cや32cのチューブレスタイヤを使い、空気圧を4.0〜5.0bar程度まで下げてみてください。

カーボ・フラックスの微振動吸収性能と、エアボリュームによるクッション性が相乗効果を生み出し、まさに「雲の上を走っている」かのような極上の乗り心地が完成します。

もしあなたが、本格的な砂利道(グラベル)を40mm以上のタイヤで走りたいと願うなら、兄弟モデルである「765 GRAVEL」を選ぶべきです。

しかし、舗装路を中心に、時折現れる荒れたアスファルトやちょっとした未舗装路を走る程度であれば、このOPTIMUM 2のクリアランスで十分にお釣りが来ます。

哲学と構造! ドマーネ・ルーベ vs 765 オプティマム

エンデュランスロード市場は、TREKのDomane(ドマーネ)やSpecializedのRoubaix(ルーベ)といった巨人がひしめく激戦区です。
ここでLOOKを選ぶ意味はどこにあるのでしょうか? それは「哲学」の違いにあります。

ギミックか、素材か。乗り味の決定的な違い

TREKのDomaneは「IsoSpeed」というリンク構造でシートチューブをしならせ、SpecializedのRoubaixは「Future Shock」というサスペンションをヘッドに内蔵しています。

これらは「アクティブ(能動的)」なアプローチであり、段差を乗り越えるような大きな衝撃に対しては圧倒的な吸収力を誇ります。

しかし、これには代償もあります。可動部があるということは、重量が増え、摩耗し、メンテナンスが必要になるということです。

また、ペダリング時にサドルが動いたり、ブレーキングでハンドルが沈み込んだりする独特の挙動を嫌うライダーも少なくありません。

対するLOOK 765 OPTIMUMは、「パッシブ(受動的)」なアプローチです。可動ギミックは一切ありません。

あるのは、素材と形状の工夫のみ。そのため、乗り味は極めて「自然」です。ペダリングの感覚は純粋なロードバイクそのものでありながら、不快な振動だけがフィルターを通したように消えている。

「自転車はシンプルであるべきだ」
「機械に頼らず、人馬一体の感覚を味わいたい」

そう考えるライダーにとって「LOOK」の、ギミックを排したストイックな設計思想は、他にはない深い満足感を与えてくれるはずです。

「785 HUEZ」と迷っている方へ:速さの定義を再考する

同じLOOKの中で、クライミングモデルの「785 HUEZ(ヒュエズ)」と迷う方も多いでしょう。

「軽さは正義」
「ヒルクライムで楽をしたい」
と考えるなら、785 HUEZは素晴らしい選択です。踏んだ瞬間の爆発的な加速は、レーシングバイクの醍醐味そのものです。

しかし、ここで一度立ち止まって考えてみてください。あなたの「速さ」の定義は何でしょうか? 

もしそれが、1時間のレースで勝つことなら785です。

しかし、もし「100km、200kmを走り切った時のトータルタイム」や「翌日の疲労感」を含めた速さなら、765 OPTIMUMに軍配が上がります

765は、振動によるスタミナロスを防ぎ、安定した直進性で神経の消耗を抑えます。
結果として、ライド後半になっても出力が落ちず、平均速度を高く維持できる。「ウサギとカメ」ではありませんが、長距離においては、快適であることこそが「最速」への近道なのです。

救済とジオメトリ! ブルベ・超長距離で選ばれる理由

100kmを超えると首が痛くて上がらなくなる」この切実な悩みを解決するのは、根性論でも高価なパーツでもなく、フレームの「設計図(ジオメトリ)」です。

首や腰が痛い……その悩み、スタックとリーチで解決できます

LOOK 765 OPTIMUMのジオメトリー表を見ると、ある特徴的な数値に気づきます。

それは、レーシングモデルに比べて「スタック(高さ)」が高く、「リーチ(長さ)」が短いことです。

例えばMサイズの場合、ヘッドチューブ長は170mm前後あり、これは一般的なレーシングバイクよりも20mm〜30mmほど長い設定です。

これにより、ハンドル位置を高く、手前に持ってくることが可能になります。無理な前傾姿勢を強いられることがなく、呼吸がしやすく、首や腰への負担が少ないアップライトなポジションを、大量のコラムスペーサーを積むことなく「美しいシルエットのまま」実現できるのです。

「ハンドルを下げられない屈辱」から解放され、堂々と楽な姿勢で景色を楽しむ。

このジオメトリこそが、40代以上のライダーに対するLOOKからの最大の「救済」であり、ブルベライダーたちがこぞって765を選ぶ理由でもあります。

卓越したダウンヒル性能と直進安定性

疲労が蓄積するのは登りだけではありません。

神経を使う下り(ダウンヒル)もまた、ライダーを消耗させます。
765 OPTIMUMは、ここでも素晴らしい仕事をしてくれます。

海外の長期レビューで「Excellent descending manners(卓越した下りのマナー)」と評されるその走りは、長めのホイールベースと低重心設計により、路面に吸い付くような安定感を発揮します。

クイックすぎて怖いハンドリングではなく、体重移動に合わせて素直に曲がっていく感覚。横風やトラックの追い越し風を受けてもふらつきにくい直進安定性。

体幹が弱り、集中力が切れかけたライドの終盤、この「バイクが勝手に安定してくれる」特性は、ライダーにとって何よりの助けとなります。

恐怖心を感じることなく、安全に家まで帰り着く。それもまた、エンデュランスロードに求められる重要な性能なのです。

Q&A

完成車のままで十分な性能を発揮できますか?

フレームは一流ですが、ホイールは「伸びしろあり」です。

正直に申し上げましょう。

多くの完成車に付属しているホイール(Shimano RSシリーズやMavic Aksium等)は耐久性重視で重量があり、765 OPTIMUMが持つ本来の「軽快な反応性」を少しスポイルしています。

まずは完成車で乗り出し、1年後くらいを目処に軽量なホイール(Campagnolo Zondaやカーボンホイール等)にアップグレードすることをお勧めします。

足回りを軽くするだけで、このバイクは別人のように化けます。その「育てる楽しみ」もまた、このバイクの魅力です。

専用ステムじゃないとダメですか?

いいえ、汎用ステムで全く問題ありません。

LOOKの上位モデルに見られる専用ステムは一体感があり美しいですが、765 OPTIMUM 2は汎用的な規格を採用しています。

ポジション出しのためにステム長を変えたい場合でも、好みのブランドのステムを自由に使うことができます。これも長く付き合う上での大きなメリットです。

グラベルも走れますか?

タイヤクリアランス(実用30〜32c程度)とジオメトリは、あくまで「舗装路メイン」の設計です。

河川敷の砂利道程度なら快適にこなせますが、岩がゴロゴロしているような本格的な林道やシングルトラックには向きません。
そうした用途には「765 GRAVEL」または「765 OPTIMUM PLUS(最大42mm対応)」をご検討ください。

まとめ:それは、大人のための「上がりの一台」

LOOK 765 OPTIMUM。

このバイクは、風洞実験室のデータや、プロ選手のワット数だけを追い求めたマシンではありません。開発者たちが真剣に向き合ったのは、「生身の人間」が路上で感じる痛み、疲労、そして喜びです。

カーボンと麻を融合させた「Carboflax」。板バネのようにしなる「3D Wave」。そして、ライダーを優しく包み込むジオメトリ。

これらすべての技術は、「あなたを遠くまで、快適に、安全に運ぶ」というただ一つの目的のために統合されています。もしかすると、もっと軽いバイクや、もっと空力の良いバイクは他にもあるかもしれません。

しかし、40代を超え、社会的責任を負いながらも、週末の限られた時間の中で最高の自由を味わいたいと願う私たちにとって、これほど信頼できる相棒は他にいないでしょう。

「次の週末は、どこまで行こうか」地図を広げるワクワク感を、もう一度取り戻してみませんか?

 LOOK 765 OPTIMUMという魔法の絨毯があれば、その旅路は、きっとこれまで以上に美しく、鮮やかなものになるはずです。


参考文献・引用

※本記事は、以下の資料・データに基づき作成いたしました。

※(価格・スペック情報について)本記事の価格およびスペック情報は2026年1月時点のものです。最新の在庫状況や価格については、各販売店の公式サイトまたは店頭でご確認ください。モデル年式や仕様は予告なく変更される場合があります。

※スペック情報について:本記事のスペック情報は2026年1月時点のものです。詳細は、各メーカーのHP等でご確認ください。

※安全に関する注意:ロードバイクは車両です。道路交通法を遵守し、ヘルメット着用、適切な装備での走行を心がけてください。不安な場合は、必ずプロショップに相談してください。

BikeRadar. (2025). Look 765 Optimum SRAM Rival eTap AXS long-term review. Retrieved December 25, 2025, from
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