・転がり抵抗の正体と、あなたが今まさに損失している「ワット数」の計算式
・Bicycle Rolling Resistance (BRR) の最新データに基づく、忖度なしの最速タイヤランキング
・「細い方が速い」は過去の話? 25Cと28Cの論争に終止符を打つ科学的根拠
・チューブレス・ラテックス・TPU、システム全体で見たときの真の勝者
・ヒルクライム、TT、ロードレース…シーン別「勝てるタイヤ」の具体的提案
・命に関わる「フックレスリム」の絶対的な空気圧ルール
はじめに
週末の峠道、ペダルを踏み込むたびに太腿が熱く悲鳴を上げる。
心拍計の数値は170を超え、ヘルメットの隙間から汗がしたたり落ちる。
昨日の自分より、あるいは前を走るあのライバルの背中より、コンマ1秒でも速く前へ進もうとあがいている。
けれど、ここで残酷な現実を突きつけなければなりません。
あなたが歯を食いしばって絞り出したそのパワーの数パーセントは、地面に吸い取られ、「無駄」として消え去っているのです。犯人は、あなたの足元にあるタイヤです。
かつて私たちは、23Cの細いタイヤに120psiもの空気をパンパンに詰め込み、路面からのガツガツとした突き上げこそが「速さ」だと信じ込んでいました。
しかし、30年以上この世界を見てきた中で、タイヤに関する常識ほど、科学によって劇的に覆されたものはありません。
今や「なんとなく速そう」という感覚でタイヤを選ぶ時代は終わりました。
Bicycle Rolling Resistance (BRR) や AeroCoach といった独立機関が、冷徹なまでの「数値」で真実を突きつけているからです。
この記事では、客観的なデータを武器に、あなたの脚を削り続ける「見えない敵(転がり抵抗)」の正体を暴き、2025年現在、選ぶべき「最強の武器」を提示します。さあ、失われたワットを取り戻しに行きましょう。
失われたエネルギーの正体|ヒステリシスロスという名の「泥棒」

この章では、タイヤが回転するたびにエネルギーが奪われるメカニズムを解明します。
ゴムが熱を持つとき、あなたは遅くなる(物理的メカニズム)
想像してみてください。
あなたがペダルを踏み、ホイールが回転し、タイヤがアスファルトに触れるその一瞬を。
タイヤはライダーの体重で押し潰され、地面から離れる瞬間に元の形に戻ろうとします。
ところが、ゴムという物質は少し厄介です。この「変形→復元」のプロセスで、受け取ったエネルギーを完全には返してくれません。一部を「熱」として大気に捨ててしまうのです。
これが「ヒステリシスロス」。あなたが汗水垂らして生み出した推進力が、無意味な熱エネルギーに変換される現象です。私がこれを「エネルギー泥棒」と呼ぶ理由がお分かりでしょう。
かつてのタイヤがカチカチに硬かったのは、変形させないためでした。
しかし、今のトレンドは真逆です。しなやかなケーシング(タイヤの骨格)で変形を受け流し、高反発なコンパウンドでロスを抑える。
320TPIといった高密度ケーシングがもてはやされるのは、単に乗り心地が良いからではありません。「泥棒」に入り込む隙を与えないためなのです。
損失の計算式|あなたは何ワット損しているのか(定量的評価)
では、具体的にどれくらいの損失があるのでしょうか? 以下の条件で計算してみましょう。
- 取得方法: 物理法則に基づく標準計算式を利用
- 計算式: P(W) = Crr*m(kg)*g(m/s2)*v(m/s)
| Crr: 転がり抵抗係数 m: 総重量(ライダー+バイク) g: 重力加速度(約9.81 m/s2) v: 走行速度 |
- 結果:
総重量80kgのライダーが時速30km(約8.33m/s)で巡航していると仮定します。
一般的なタイヤ(Crr 0.003)の場合:
P = 0.003*80*9.81*8.33≒ 19.6W
これがシステム全体(前後タイヤ)の損失です。一方、最新の最速タイヤ(Crr 0.002)に変えた場合は約13W。その差は約6.6Wにもなります。
6W上げるために、どれだけのトレーニングを積まなければならないか、ライダーなら痛いほど分かるはずです。
それが、タイヤを変えるだけで手に入る。これを「機材ドーピング」と呼ばずして何と呼びましょうか。
BRRのテスト条件を理解する(データの読み方)
本記事で紹介する数値は、主にBicycle Rolling Resistance (BRR) のテストデータに基づいています。
テストデータの標準条件は、速度29km/h、荷重42.5kg(片輪)です。
空気圧はタイヤの実測幅に応じて設定され、28-30mmタイヤの場合は72psi (5.0bar)が「High」設定として用いられます。
数値は「W(ワット)」と「Crr(係数)」の両方で表示されますが、ここでの「9.7W」というのは、片輪あたりの抵抗値であることを覚えておいてください。
残酷なランキング|データが示す2025年の「王者」たち

ここでは、BRRの最新データを基に、主要モデルの実力を丸裸にします。
絶対王者 Vittoria Corsa Pro Speed TLR|6.7Wの衝撃と「硝子の鎧」
BRRの最新テストが、一つの怪物を生み出したことを証明しました。
- 転がり抵抗: 6.7W(圧倒的1位)
- パンク耐性: 25点(極めて低い)
- トレッド厚: 1.3mm
- ウェットグリップ: 72点
これは、2位以下のタイヤを周回遅れにするほどの数値です。320TPIのコットンケーシングが生むしなやかさは、もはやタイヤというより「皮膚」に近い。
「なら、これ一択じゃないか?」そう思ったあなた、少し冷静になりましょう。
このタイヤのトレッド厚は、わずか1.3mm。GP5000 S TRの半分以下です。
パンク耐性スコア「25点」は何を意味するか? 小石一つ、ガラス片一つで、あなたのレースが終わる可能性があるということです。
サポートカーがいない我々アマチュアにとって、これを選ぶことは「勇気」ではなく「蛮勇」かもしれません。それでも「最速」の称号が欲しいなら……止めるつもりはありませんが・・・。
鉄壁の優等生 Continental GP5000 S TR|迷えるライダーの「羅針盤」
週末のサイクリングロードを見渡せば、石を投げればGP5000に当たる。なぜこれほど愛されるのでしょうか。それは「失敗しない」からです。
- 転がり抵抗: 9.7W
- パンク耐性: 34点
- トレッド厚: 2.1mm
- ウェットグリップ: 70点
最速のVittoriaには3W劣ります。
しかし、パンク耐性は34点、トレッド厚は2.1mmと実用的な厚みを確保。
このタイヤは、多少の荒れた路面も、雨上がりのウェットなコーナーも、涼しい顔でこなしてしまう。
ベクトランブレーカー(耐パンクベルト)の存在が、その安心感を支えています。
「3ワットの速さ」を取るか、「ゴールまで確実にたどり着く安心」を取るか。
私が友人に勧めるなら、間違いなくこちらです。レースは、ゴールしなければ勝てないのですから。
空力の新次元 Continental Aero 111|風を味方につける「革新者」
2024年のタイヤ市場における最大の話題作、Continental Aero 111。DT SwissおよびSwiss Sideと共同開発された空力特化型タイヤで、トレッド面に48個の特許取得済みキャビティ(窪み)を配置しています。
- 転がり抵抗: 10.5W
- パンク耐性: 40点
- 特筆事項: セーリング効果
転がり抵抗単体ではGP5000 S TRより劣ります。しかし、ゴルフボールのディンプルのように気流を制御し、特定の横風条件下では推進力を生む「セーリング効果」を発揮するのです。
空力効果はフロントホイールで支配的。したがって、フロントにAero 111、リアにCorsa Pro SpeedまたはGP5000 TT TRというミックスセットアップが、理論上の最速解となります。
ただし、平均時速40km以上の高速域でなければ、単に重いタイヤになってしまう点には注意が必要です。
雨中のスペシャリスト Michelin Power Cup TLR|ウェットでの「信頼」
もしあなたの主戦場が、天候の変わりやすい山岳や、コーナーのきついクリテリウムなら、Michelinに目を向けるべきです。
- 転がり抵抗: 10.3W
- 特筆事項: 圧倒的なウェットグリップ
数値上は平凡に見えますが、MotoGP由来のGum-Xコンパウンドが、濡れた路面で異次元のグリップを生み出します。
雨のダウンヒルで、ライバルが恐怖でブレーキを握る中、あなただけが攻められる。そのアドバンテージは、転がり抵抗の数ワットを軽く凌駕するでしょう。
崩れ去った「細タイヤ神話」|25Cと28C、どっちが速い?

この章では、長年の論争に終止符を打ちます。
接地形状の科学|なぜ太い方が転がるのか
「タイヤは細い方が接地面積が少なくて速い」。30年前、私もそう信じて疑いませんでした。しかし、物理学は残酷です。その常識を完全に否定しました。
転がり抵抗の主な原因は摩擦ではなく、ヒステリシスロスです。
そしてこのメカニズムの鍵は、タイヤの接地面(コンタクトパッチ)の形状にあります。同じ空気圧を入れた場合、タイヤの接地面積の「大きさ」は25Cも28Cも変わりません。変わるのは「形」です。
- 25C(細い): 縦に細長い楕円になる
- 28C(太い): 横に広く、縦に短い円に近づく
タイヤが回転するとき、抵抗になるのは「縦方向の変形」です。縦に短い28Cの方が、実はタイヤのたわみが少なく、真円に近い状態で転がり続けることができる。
これが、太いタイヤの方が転がり抵抗が低い理由です。BRRのテストでもこの理論は証明されています。
振動という名のハンマー|実走でこそ輝く28C
実験室のデータ以上に、実走で28Cが速い理由があります。それは「インピーダンスロス(振動損失)」の低減です。
荒れたアスファルトを細い高圧タイヤで走るとき、あなたの体は微細な振動で常に揺すられています。
これは、小さなハンマーで筋肉を叩き続けられているのと同じ。
28Cのエアボリュームは、このハンマーの衝撃を和らげてくれます。
後半、脚が残っているのはどちらか。答えは明白です。
空力重視のタイムトライアルならまだしも、我々が走る一般道において、もはや25Cを選ぶ積極的な理由は見当たりません。
体重別の最適空気圧|あなたに合った設定を探る
タイヤの最適な空気圧は、ライダーの体重によって大きく異なります。これを無視して一律に「100psi」などとしてしまうと、せっかくの28mmタイヤも台無しです。
SILCAやENVEが公開している計算ツールでは、以下のような目安が示されています(28mmタイヤ・舗装路)。
- 体重60kg: 前後 約4.5 – 4.8 bar
- 体重70kg: 前後 約4.8 – 5.2 bar
- 体重80kg: 前後 約5.2 – 5.5 bar
重いライダーほど高い空気圧が必要ですが、それでも100psi(約7bar)に達することは稀です。一昔前の「カチカチに入れた方が速い」という感覚は、今すぐ捨て去りましょう。
システムで勝負する|チューブレス vs ラテックス vs TPU

タイヤ単体ではなく、中のチューブを含めた「システム」で比較します。
摩擦なき世界|王者チューブレスレディ(TLR)
タイヤの中にチューブが入っている限り、タイヤとチューブは常に擦れ合い、摩擦熱(ロス)を生みます。
チューブレスレディ(TLR)は、その摩擦を物理的に消滅させました。中に満たされたシーラント(液体)は摩擦を生みません。
BRRのデータでも、TLRシステムが最も転がり抵抗が低いことは証明済みです。さらにシーラントが小さな穴を即座に塞ぐ。速さと安心。導入の煩わしささえ乗り越えれば、これ以上のシステムはありません。
ヒルクライマーの最終兵器|軽さへの執念「TPU」
「でも、TLRは重いじゃないか」。
そう、あなたのおっしゃる通りです。
シーラントとバルブを含めれば、重量増は否めません。
ここで登場するのがTPU(熱可塑性ポリウレタン)チューブです。
転がり抵抗においてはラテックスおよびTLRに劣るというのが最新の実験結果です。
BRRのデータによれば、TPUチューブを使用すると、ラテックスと比較してタイヤ1本あたり約0.5〜1.0W程度の抵抗増となります。
しかし、TPUの真価は軽さにあります。
1本30g〜40gという重量は、標準ブチルの5分の1以下。平均勾配7%を超えるような激坂においては、低速域での転がり抵抗の差よりも、重量減による重力抵抗の低減効果が上回る可能性があります。
「平坦・高速コースはTLRまたはラテックス」、「激坂ヒルクライムはTPU」。これが論理的な使い分けです。
練習の友|ブチルチューブの存在意義
転がり抵抗の観点だけでいえば、標準のブチルチューブはペアで8〜10Wも損をしており、レース用としては推奨できません。しかし、すべてのライダーがレースで1秒を争っているわけではないでしょう。
ブチルチューブの長所は、メンテナンスの容易さと低コスト、そして空気保持性の高さです。初心者がまず「走ること」を楽しむうえでは、十分な選択肢といえます。
「練習では重いブチルで脚を鍛え、本番でラテックスやTLRに変えて解き放たれる」。その解放感こそが、レース当日のあなたのメンタルをブーストしてくれるはずです。
命に関わる警告|フックレスリムの「落とし穴」

この章だけは、真剣に読んでください。安全に関わる重大な情報です。
適合性の罠|そのタイヤ、本当にハマるか?
Zipp、ENVE、CADEXなど、高性能ホイールの多くが採用する「フックレスリム」。軽量でエアロですが、タイヤ選びを間違えると凶器になります。
リムのフック(引っ掛かり)がないため、タイヤのビード(縁)の強度だけで内圧に耐えなければなりません。
ここで安易に「軽そうだから」と、フックレス非対応のタイヤ(特にクリンチャー専用モデル)を使ったらどうなるか?
カーブを曲がった瞬間、あるいは下りでスピードが出た瞬間、「パーン!」という破裂音と共にタイヤが外れ、あなたはアスファルトに叩きつけられるでしょう。
フックレスには、必ず「フックレス対応(Hookless Compatible)」と明記されたTLRタイヤを使うこと。これはアドバイスではありません。絶対に守らなければなりません。
5.0barの掟|空気圧の常識を捨てろ
フックレスリムには、厳格な空気圧制限があります。
多くのメーカーが最大空気圧を72.5psi (5.0bar)に設定しています。「えっ、そんなに低くていいの?」と思うかもしれません。
だが、28C以上の太いタイヤとワイドリムの組み合わせなら、その低圧こそが最も速く、かつ快適なのです。昭和の「カチカチタイヤ信仰」は、命を守るために今すぐ捨ててください。
勝つための最終兵器|レースシーン別おすすめタイヤ
あなたの戦場に合わせた最適な一本を提案します。
ヒルクライム向け|重力に抗うための選択
平均勾配7%以上のヒルクライムでは、システムの軽量性と低速域でのヒステリシスロス低減が最優先されます。
圧倒的な転がり抵抗の低さ(6.7W)と軽量性(250g以下)。
路面が綺麗なヒルクライムコースであれば、パンクリスクは許容範囲内です。勝負をかける決戦用として、これに勝るタイヤはありません。
Corsaに迫る速さ(8.3W)と、より高い耐パンク性による信頼感。「速さは欲しいが、パンクでレースを棒に振りたくない」という方に最適です。
ロードレース・長距離向け|生き残るためのタフネス
速さだけでなく、最後まで走り切るタフネスと、コーナーでの競り合いに勝つグリップが求められるレースには、バランス型のタイヤが適しています。
「迷ったらこれ」。転がり、グリップ、耐久性のバランスが黄金比。200km先のゴールラインまで、機材トラブルの不安を抱えずに走り切りたいなら、このタイヤが唯一の答えです。
GP5000 S TRと同等の性能を持ちながら、よりしなやかな乗り心地を提供。特にウェットグリップに優れ、雨のレースでの安心感は格別です。
Q&A

- GP5000 S TRとPower Cup TLR、結局どっちがいいの?
正直に言いましょう。
目隠しをして乗って違いが分かるライダーは稀です。それほど両者の性能は拮抗しています。あえて言うなら、「乾いた速さのConti、濡れた安心のMichelin」。
入手しやすい方、あるいはロゴのデザインがバイクに合う方を選んでも、後悔はしないはずです。
- チューブレス、初心者にはハードルが高くないですか?
正直、高いです。
最初はシーラントで床を汚し、ビードが上がらず途方に暮れるでしょう。それは通過儀礼です。
だが、一度その「極上の乗り心地」を知ってしまえば、もう中にゴムチューブが入ったタイヤには戻れません。まずはショップに頼んで施工してもらい、運用の仕方から慣れていくことを強く勧めます。
- タイヤの交換時期、スリップサインが出るまで粘っていい?
専門家として言わせてもらえば、「スリップサインが出る前」が交換時期です。
ゴムは生鮮食品と同じで、時間が経てば硬化し、グリップも落ちます。
レース用なら3,000km、普段使いでも5,000km走ったら、見た目が綺麗でも感謝を込めて交換してやってほしい。その数千円をケチって落車するより、遥かにマシです。
まとめ|タイヤは「消耗品」ではない。「投資」である

ここまで読んでくれたあなたは、もう「なんとなく」でタイヤを選ぶ初心者ではありません。転がり抵抗という「見えない敵」の正体を知り、それをねじ伏せる武器の選び方も知ったはずです。
30年の経験を経て、私は断言できます。「タイヤは、最も費用対効果の高い機材投資である」と。
何十万円もするカーボンホイールを買う前に、まずは1万円のタイヤを変えてみてください。
転がり抵抗データが示す通り、Vittoria Corsa Pro Speed TLR (6.7W) は圧倒的に速い。
だが、トレッド厚1.3mm、パンク耐性25点という現実も受け止める必要があります。
我々アマチュアにはGP5000 S TR (9.7W) のような「完走する強さ」も必要なのです。
今すぐ愛車のタイヤを見てください。
ひび割れていないか?
昔の細いタイヤのままではないか?
もしそうなら、今がその時です。
記事の中で紹介した「最強のタイヤ」を履かせ、適正な空気圧にセットした瞬間、あなたのロードバイクは全く別の乗り物に生まれ変わる。
ペダルを踏んだ瞬間の、あの「背中を押されるような感覚」を、ぜひ体感してください。
さあ、古いタイヤを脱ぎ捨てよう。自己ベスト更新の準備は、もう整っているはずです。
参考文献・引用元リスト
AeroCoach. (n.d.). Continental Aero 111 wind tunnel & rolling resistance data.
Bicycle Rolling Resistance. (n.d.). Road Bike Tires Test Results. https://www.bicyclerollingresistance.com/road-bike-reviews
Continental AG. (n.d.). Grand Prix 5000 S TR.
https://www.continental-tires.com/bicycle/tires/race-tires/grand-prix-5000-s-tr
SILCA. (n.d.). SILCA Pro Tire Pressure Calculator.
https://silca.cc/pages/pro-tire-pressure-calculator
Vittoria S.p.A. (n.d.). Corsa PRO Speed – Tubeless Ready.
https://vittoria.com/ww/en/tires/road/corsa-pro-speed


