- BMC Roadmachine 2024(第3世代)で旧型から具体的に何が変わったのか
- ジオメトリ変更が首・肩・腰の負担軽減にどう効くかの仕組み
- 40mmタイヤクリアランスの本当の意味と、32〜35mmが最適解になる理由
- Teammachineとの違いと、どちらを選ぶべきかの判断基準
- Trek Domane・Giant Defy・Cannondale Synapseとの強み・弱みの比較
- 01 FOUR・TWO・FIVEの3グレードの選び方と価格帯の整理
- 旧型からの買い替えを検討すべきライダー像
はじめに
金曜の夜、ふとスマートフォンの走行ログを開いた。
先週末のライドは90km地点で脚が止まり、首のつけ根が固まって前方確認がつらくなり、手のひらはジンジンと痺れたまま。
平日の5日間は、PCモニタにへばりつき体はもうカチカチで、もう20代のころのようにグッと伏せた前傾姿勢を受け止めてくれません。
帰宅後のソファで「来週はもう少し短くしよう」とつぶやいた自分に、ほんの少し情けなさを覚えたりするものです。
速さは捨てたくない。けれど体がついてこない——
この矛盾に心当たりがあるなら、2024年にフルモデルチェンジした第3世代BMC Roadmachineは、検討リストの筆頭に据える価値があるかもしれません。
とはいえ疑問は尽きないでしょう。
「旧型と具体的に何が変わったのか」
「ライバルのエンデュランスロードと比べてどうなのか」
「そもそも自分にはどのグレードが合うのか」。
この記事では、30年以上ロードバイクに携わってきた経験をもとに、カタログの数字だけでは伝わりにくい体感レベルの違いを一つずつ紐解いていきます。
なお、スペック数値はサイズ54を基準とし、価格は2026年3月時点の税込表示、重量はペダルなし・メーカー公称値に統一しました。
首と腰の痛みに別れを告げる——数ミリのジオメトリが起こす魔法

フレーム設計の根本的な転換——「足し算」ではなく「再構築」
BMCの同シリーズの歩みを簡単に振り返っておきましょう。
2016年に初代が登場し、2020年に第2世代へ進化しました。そして2024年、4年の開発期間を経て第3世代がリリースされています。
今回のモデルチェンジは単なる部品の入れ替えではありません。フレームの骨格そのものを一から設計し直した大改革です。
フレーム単体の重量は、サイズ54で旧型895gから963gへ約68g増えています。メーカー公式のジオメトリ表から取得した数値を比較すると、新型963g − 旧型895g = 68gの差です。カタログの数字だけ見れば後退に映るかもしれません。
しかし、この68gの中に
タイヤクリアランスの大幅拡大
UCIルール変更を活用した極薄シートチューブによる快適性向上
ダウンチューブ内蔵ストレージ
という三つの大きな進化がすべて詰め込まれています。
実際にフレームを手に取ると、シートチューブ下部の薄さに驚かされるでしょう。
UCIが2024年シーズンに向けてチューブ厚の最小要件を25mmから10mmへ緩和したことで、BMCの開発陣はこの部分を極限まで薄く成型しました。
指で弾くと旧型とは明らかに異なる、しなやかな反発が返ってきます。
コンプライアンス(縦方向の柔軟性・振動吸収性)が旧型比で27%向上したとBikeRadarのローンチ記事で報じられていますが、この薄さに触れればその数値にも納得がいくのではないでしょうか。
68gの重量増は「犠牲」というより「投資」と呼ぶのがふさわしいと考えています。
数ミリの違いが生む「別世界」の疲れにくさ——ジオメトリ変化を体の言葉に翻訳する
ジオメトリという言葉に馴染みのない方のために補足しますと、フレーム各部の長さや角度を示す設計図のようなものです。
普段は意識しない数値ですが、この違いが実走での体感を劇的に左右します。
サイズ54を基準にした主な変更点を、BMC公式ジオメトリ表と99 Spokesの比較データから読み取ってみましょう。
スタック(ハンドル位置の高さの基準値)は旧型の約562mmから新型の約570mmへ上昇しました。
差分は570 − 562 = 8mmです。リーチ(ハンドルまでの遠さの基準値)は386mmから383mmへ、386 − 383 = 3mm短縮されました。
この二つからStack/Reach比を算出すると、旧型が562 ÷ 386 ≒ 1.456、新型が570 ÷ 383 ≒ 1.488となり、よりアップライトな設計へと変化していることがわかります。
これを体の言葉に翻訳すると、「ハンドルが近くなり、かつ高くなった」ということになります。たった数ミリの話なのですが、深い前傾姿勢を支えるために脊柱起立筋や首の筋肉が酷使される度合いは根本から軽減される可能性があるでしょう。
ロングライドの後半、とりわけ80kmを超えたあたりで「首が痛くて前方確認がつらい」「腰が張ってペダルを踏む出力がガクッと落ちる」という経験があるなら、この数ミリの変化は文字どおり救いになるかもしれません。
上体が起きれば呼吸も自然と深くなり、心拍数の安定にも寄与します。
もちろん、痛みの原因はフィッティングや柔軟性、筋力など複数の要因が絡むため、ジオメトリだけで解決するとは限らない点は付け加えておきたいところです。
さらに注目したいのがチェーンステー長の変更になります。旧型の410mmから415mmへ5mm延長されました。
「たかが5mm」と思われがちですが、後輪の挙動がマイルドになり直進安定性が大きく高まります。下り坂や荒れた路面で車体がバタつく不安が減り、恐怖心なくペダルを踏み続けやすくなるでしょう。
BBドロップ(クランク取り付け位置の低さ)も71mmから75mmへ深くなり、車体全体の重心が下がりました。太いタイヤを装着すると車高が上がりがちですが、このBBドロップの変更がちょうど相殺してくれる設計になっています。
タイヤクリアランスの拡大——33mmから40mmへ、その「本当の意味」
旧型では最大33mmだったタイヤ対応幅が、新型では最大40mmまで広がりました。グラベルバイク並みの数値です。ただし、ここで注目すべきはBMC公式サイトが「32〜35mmに最適化した設計」と明記している点でしょう。
なぜ40mmまで入るのに32〜35mmが最適なのでしょうか。
BMCの現行商品ページによれば、2xフロントディレイラー仕様ではリア側のクリアランスが実測34mmに制限されます。
カタログ上の40mmはフロントシングル(1x)構成や機械式コンポーネントを前提とした最大値であり、完成車の2x仕様でそのまま40mmタイヤを履けるわけではありません。
だからこそ、舗装路メインのライダーにとっては「32〜35cでの運用」が現実的な最適解となります。
32〜35cのタイヤなら転がり抵抗をほぼ損なわず、空気圧を3.0〜4.0bar付近まで下げることが可能です。
手のひらの痺れ軽減と、ロードバイクらしい軽快な巡航速度を両立しやすくなります。
38〜40cのタイヤは、林道入り口や軽い未舗装路を探索したい日のための「心理的な保険」と捉えればよいでしょう。
35c運用で十分すぎる快適性が得られるため、制限があっても致命的な欠点にはなりにくいと考えられます。
BMCの各グレードや最新の在庫状況は、日本正規代理店フタバの公式サイトでご確認いただけます。試乗可能なショップリストも掲載されていますので、サイズ選びに不安がある方はぜひ足を運んでみてください。
踏めば進む快感——モッサリ感を払拭したBB86の意地

「快適だけど鈍い」は過去の常識か——TCC Enduranceの設計思想
エンデュランスロードに対して「乗り心地は良いけど、踏んでもなかなか進まない」というイメージをお持ちの方は少なくないでしょう。
実際のところ、快適性を追求するあまり重量が増したり、フレーム剛性を落としすぎたりすると、ペダルを踏んだ力が推進力へダイレクトに変換されず、ヌルッとした手応えのない加速になることがあります。
レースバイクから乗り換えた人がまず感じるのが、この独特の「もっさり感」だったりするのです。
ところが本機は、この宿命に対して明確な回答を用意してきました。
フレーム剛性の要となるダウンチューブからBB(ボトムブラケット)周辺、そしてチェーンステーにかけてのラインは極めて強固に設計されています。
BB86というプレスフィット規格を継続採用し、ペダリングパワーを受け止めるBB周辺の幅と剛性に妥協はありません。
海外の専門メディアも反応性の高さを評価しています。
BikeRadarやGRAN FONDO Cycling Magazineのレビューを総合すると、
「コンプライアンスが極めて高いのに加速が俊敏」
「鈍重なグラベルバイクとは次元が違う」
という趣旨のコメントが並びます。
シートチューブの下部を後輪のカーブに沿って大きくカットアウトする手法は、タイヤクリアランスを稼ぎつつリアセンターの延長を最小限に抑える工夫です。
チェーンステー415mmはピュアレーサーの405〜410mm台より長いものの、エンデュランスカテゴリとしては十分に短い部類に入ります。
結局のところ、この第3世代の快適性は「フレーム全体を柔らかくした結果」ではなく、「必要な箇所だけを選択的にしならせた結果」にほかなりません。
TCC Endurance(Tuned Compliance Concept)と名付けられたこの設計思想こそが、速さを手放さない快適性の正体です。
ダンシング時やゼロ発進でも「踏めばきちんと前に出る」感触は健在だと考えてよいでしょう。
ダウンチューブ収納・ライト・フェンダー——「一台完結」を支える実用装備
新たに追加された実用装備も見逃せません。
ダウンチューブ内蔵ストレージは、Aerocoreボトルケージの下部にあるダイヤルを回すだけでアクセスでき、専用の撥水ポーチが付属します。
携帯工具やチューブ、補給食などをスマートに収納できるため、サドルバッグを排除できるのが大きな魅力です。
バイクの最も高い位置にあった重量物がなくなることで重心が下がり、ダンシング時の車体の振りが軽くなります。見た目のスマートさも段違いでしょう。
シートポスト背面にはBMC Rear Light 25が統合されます。BMC公式アクセサリーページによると、高輝度モードで25ルーメン、最大約2.5時間の連続点灯が可能です。
エコモードでは約70時間持続します。01グレードに標準付属するこの装備は、トンネルの多い日本の地方道や冬場の夕暮れ時に心強い存在でしょう。
ただし、最大光量での駆動時間は約2.5時間と短めであり、定期的なMicro USB充電の手間は行う必要があります。
取り外した際のマウント部の見た目にもトレードオフは存在する点は、正直にお伝えしておきたいところです。
フェンダー(泥除け)マウントについては、グレードによって仕様が異なります。
TWO・FIVEにはフォークとフレームの両方にボルトオン取り付け用のステルスマウントが装備されています。
一方、BikeRadarの報道によれば01モデルにはボルトオンマウントが設けられていませんが、クリップオンフェンダーの使用はBMCが検証済みです。
いずれのグレードでもD型シートポストに取り付けるBMC D-Fenderには対応しており、冬場のトレーニングや雨上がりの路面でウェアを汚さずに済みます。
1台を春夏秋冬使い倒したいライダーには、地味ですが決定的に効いてくる装備といえるでしょう。
切れ味か包容力か——TeammachineとRoadmachineの分水嶺

Teammachineの本質は「研ぎ澄まされた刃物」
Teammachine(SLR 01等)は、BMCが誇る純レーシングプラットフォームです。
極限まで短縮されたリアセンターと低いスタックを持ち、ライダー自身が体幹を使ってアグレッシブに荷重移動を行うことで真価を発揮します。
登坂での絶対的な速さや、時速40km超でのクイックなコーナリングでは明確にTeammachineに軍配が上がるでしょう。
しかし、フレーム剛性の高さゆえに路面からの振動は容赦なくライダーの体力を削っていきます。
TCC Raceという設計思想はパワー伝達を最重視しており、長時間の快適性は優先順位が低くなっています。
サーキットのラップタイムを削るための刃物であって、日曜の100kmを楽しむための道具とは趣が異なるのです。
「何のために走るか」が判断の分水嶺
二つのモデルの間で迷ったとき、自分にこう問いかけてみてください。
「週末のライドで最も大切にしたいのは、Stravaの自己ベスト更新か、それとも翌日に疲れを残さない質の高い100kmか」。
前者ならTeammachine一択です。
体幹が鍛えられていて深い前傾を3時間以上維持しても苦にならない人にとっては、Roadmachineのアップライトなポジションは逆に「遅く感じる」可能性すらあります。
ヒルクライム大会や市民クリテリウムへの参加意欲があるなら、なおさら同モデルが適しているでしょう。
後者であれば、こちらのエンデュランスモデルの方が満足度は高くなりやすいと感じます。
ライド終盤で体幹の筋力が落ちてきても無理なくペダリングを続けられ、翌日の仕事に疲労を持ち越しにくくなります。
「ミスや疲労を許容してくれる包容力」と「ライダーを疲れさせない黒衣(くろこ)のようなサポート」——それがこのバイクの持ち味です。
迷える週末ライダーを救う——Defy・Domane・Synapse 4大エンデュランス比較

Giant Defy——コスパ最強のヒルクライマー
Giant Defy(Advanced Pro等)
圧倒的なコストパフォーマンスとフレーム単体の軽量性が武器です。
同価格帯でのフレーム重量はクラス随一の軽さを誇り、登坂性能を最重視するライダーには極めて魅力的な存在といえるでしょう。
一方で、ダウンチューブ内蔵ストレージなどの最新インテグレーションは搭載されておらず、フックレスリム仕様のホイールではタイヤの選択肢に制約が出るケースもあります。
予算を最重視し、山を速く走りたい方には有力な候補になるはずです。ただし、日常的な使い勝手や「全部入り」の洗練度では、BMCに一歩譲る印象を受けます。
【写真:ワイズロードオンラインより】
Trek Domane——「ラク」を極限まで追求した快適性の王様
Trek Domane(SL / SLR Gen 4)
IsoSpeed機構による衝撃吸収性能が最大の売りです。Stack/Reach比は約1.57前後と極めてアップライトで、内蔵ストレージやフェンダー対応も完備されています。快適性だけを取れば、現行エンデュランスロードの最高峰と呼んでも差し支えないでしょう。
しかし、IsoSpeed機構を搭載する代償としてフレーム重量が増加しており、登坂やゼロ発進で反応が鈍いと感じる声も聞かれます。
また、機構部分のメンテナンスリスクも考慮すべきポイントです。「踏めば鋭く進むスポーティな楽しさ」を求めるライダーには、やや物足りなく感じられるかもしれません。
究極の快適性とスポーティさ、どちらを優先するかでDomaneとBMCの評価は入れ替わります。
【写真:ワイズロードオンラインより】
Cannondale Synapse——ガジェット統合の安全番長
Cannondale Synapse(Carbon)
SmartSenseによるライト・リアビューレーダーのバッテリー一括管理が特徴的なモデルです。
公道での安全性を最優先するライダーにとっては、他社にない明確な強みを持っています。BB規格はBSAスレッド(ねじ込み式)を採用しており、整備性の高さはメカニックとしても好印象です。
プレスフィットBBにありがちな異音トラブルと無縁であり、自宅での工具整備もハードルが低いでしょう。
一方、タイヤクリアランスは最大35mmにとどまり、BMCの40mm対応には及びません。
また、外装シートクランプなどのデザイン面で好みが分かれることもあるかもしれません。
純粋な走行性能やエアロダイナミクス、フレームの造形美を重視するなら、BMCに軍配が上がる場面は多いと感じます。
【写真:ワイズロードオンラインより】
Roadmachineの立ち位置——「速さを捨てずにラク」のバランス王
各社の開発哲学が最も色濃く表れるのが、快適性の実現方法です。
Domaneは物理的なギミック(IsoSpeed)でサスペンションのような快適性を提供しますが、重量増と反応性の変化を伴います。
Defyは軽量化とカーボンレイアップの工夫で快適性を稼ぎ、登坂性能に全振りしています。Synapseは電子機器の統合で安全性へ舵を切りました。
対するBMCのエンデュランスモデルは、ギミックに頼らずフレーム構造そのもの——
極薄シートチューブや緻密なカーボン積層で27%もの快適性向上を実現しつつ、BB86とショートチェーンステー志向でロードバイクとしての反応性を守り抜いています。
「速さを捨てずにラクを実現した」バランス型の筆頭と呼べる存在でしょう。
どのメーカーにも設計上のトレードオフは存在しますが、BMCが選んだ「素材と構造で勝負する」というアプローチは、メンテナンス性の面でも長期的な安心感を与えてくれます。
後悔しないグレード選び——01 FOUR・TWO・FIVEの賢い選択術

3グレードのスペックと価格を整理する
2024年モデルは以下の3グレードで展開されています。価格はいずれも税込、重量はサイズ54基準・ペダルなし・メーカー公称値です。
Roadmachine 01 FOUR(1,430,000円)
重量は約7.8kg、最上位のPremium Carbonフレームに、Shimano Ultegra Di2(2×12速)を搭載しています。
ICS 02統合コクピット、Aerocoreボトルケージ一体型ストレージ、リアライト内蔵シートポストクランプが標準装備、完成車タイヤはVittoria Corsa N.EXT 30mmになります。
Roadmachine X TWO(47,8000円)
重量は約8.2kg
(国内代理店表記。グローバルページでは8.6kgの表記も見られるため、販売店での確認を推奨します)。
Carbonフレームに同じくUltegra Di2を搭載しています。ICS2統合コクピットを採用しますが、リアライト内蔵シートポストクランプは付属しません。完成車タイヤはVittoria RUBINO IV 30mmになります。
Roadmachine FIVE(682,000円)
重量は約8.8kg、フレームはTWOと同一のCarbonグレードで、Shimano 105の機械式(2×12速)を搭載しています。
どのグレードを選ぶべきか
01 FOURとTWOの最大の違いは、フレームグレードとリアライト標準装備の有無です。
01のPremium Carbonフレームは軽量性と剛性のバランスが一段上であり、約7.8kgという重量はエンデュランスカテゴリとしてかなり優秀といえます。
5年以上乗り続ける想定で、所有欲まで含めて満足を追求するなら01 FOURを選んでおくと後悔しにくいでしょう。
TWOはフレームこそセカンドグレードですが、コンポーネントはUltegra Di2で01 FOURと同等です。
電動変速の正確さとメンテナンスフリーの快適さを重視しつつ、差額の約44万円をホイールのアップグレードなど別の投資に回せるのは賢い選択といえるのではないでしょうか。
FIVEは機械式Shimano 105を搭載しており、変速操作のタッチ感は電動と異なります。
ただしフレーム自体はTWOと同一です。「
まずこのバイクに乗ってみて、コンポーネントは後からDi2に載せ替える」という戦略が取れるのはFIVEだけになります。
初めてBMCに触れるライダーにとって、合理的な入り口になるでしょう。
フレームの性能を先に体験し、変速系は資金ができてからグレードアップする——
実のところ、これは賢いロードバイクの始め方でもあるのです。
サイズ選びで失敗しないために
展開サイズは47・51・54・56の4種類になります。
身長の目安として
47が162cm未満、
51が162〜174cm、
54が172〜180cm、
56が178〜186cm程度
とされていますが、あくまでも目安に過ぎません。
30年の経験で最も多く見てきた失敗は、「54と56で迷った末に大きい方を選んでしまう」パターンです。
大きいフレームにすれば楽になるだろうという思い込みが原因ですが、実際にはステムが長くなりすぎてハンドリングがふらつくケースが少なくありません。
旧型よりもアップライト方向にジオメトリが変更されたことで、旧型で56を選んでいた方が新型では54で十分というケースも珍しくなくなりました。
可能な限り正規取扱店で試乗し、ステム長やスペーサーの調整余地も含めてフィッティングを受けることを強くおすすめします。
Q&A——購入前の疑問をまとめて解消

- 舗装路しか走りません。40mm対応はオーバースペックですか?
オーバースペックにはなりません。
40mmタイヤが入るからといって40mmを履く必要はなく、BMC自身が「32〜35mmに最適化した」と公式に明言しています。
荒れた日本の舗装路で32〜35cのタイヤを低圧運用できることこそが最大のメリットであり、手のひらの痺れや腰への突き上げが軽減されやすくなります。むしろ舗装路ライダーにこそ恩恵の大きい設計といえるでしょう。
- 旧型Roadmachineからの買い替え価値はありますか?
現在のバイクで100km走って首・肩・腰に痛みが出ているなら、買い替えの検討価値は高いといえます。スタックの上昇と27%のコンプライアンス向上は体感レベルで違いがわかるはずです。
一方、現状で体のどこにも痛みがなく、33mm以上のタイヤを履くつもりもなく、内蔵ストレージにも興味がないなら、旧型のままで問題ないでしょう。
買い替えが必要かどうかは「体が出すサイン」に正直に従うのが一番です。
ライド翌日の月曜朝に首や肩が張って仕事に集中できないようであれば、バイク側の改善余地は大きいかもしれません。ただし、フィッティングの見直しだけで痛みが解消する可能性もありますので、まずは信頼できるプロショップでポジション診断を受けてみることをお勧めいたします。
- 01 FOURとTWO、どちらがおすすめですか?
両者ともUltegra Di2搭載であり、変速性能に差はありません。
違いはフレームグレード、コクピット仕上げ、リアライト標準装備の有無、約400gの重量差に集約されます。
5年以上の長期所有を見据え、ヒルクライムでのわずかな軽さや所有欲まで重視するなら01 FOURがおすすめです。
走行性能の大部分を享受しつつ約44万円を別の投資に回したいならTWOが賢い選択になるでしょう。
- Trek DomaneとBMC Roadmachine、どちらが「ラク」ですか?
「ラク」の定義によります。純粋な衝撃吸収性や乗り心地の柔らかさだけを比べるなら、IsoSpeed搭載のDomaneが上でしょう。
しかし「踏めば鋭く進むスポーティさ」を維持しながらの快適性を求めるなら、BMCの本機の方が満足感を得やすいと考えます。
Domaneの快適性はIsoSpeed機構に伴う重量増が背景にあり、反応性との兼ね合いをどう評価するかが判断の分かれ目になるでしょう。
まとめ

ここまで読み進めてくださった方に、感謝いたします。
BMC Roadmachine 2024(第3世代)は、旧型からジオメトリを根本的に見直し、スタックの上昇とリーチの短縮で負担の少ないポジションを実現したモデルです。
最大40mm対応のタイヤクリアランスは「32〜35mmでの最適運用」を可能にし、日本の荒れた舗装路でこそ真価を発揮します。
ダウンチューブ内蔵ストレージや専用リアライトといった装備は、サドルバッグ不要の「一台完結」の美学を体現しているといえるでしょう。
Teammachineとの違いは「速さの切れ味」と「疲労の許容力」のどちらを優先するかに尽きます。
Trek Domane・Giant Defy・Cannondale Synapseとの比較では、「速さを捨てずにラク」を高い次元で両立している点がBMC独自の立ち位置です。
グレード選びに関しては、予算と長期的な所有計画を天秤にかけながら、01 FOUR・TWO・FIVEのいずれかを見極めていただければと思います。
旧型からの買い替えを検討している方、あるいはレース寄りのバイクから「もう少しラクに、でもスポーティに走りたい」と考えている方にとって、この第3世代モデルは多くのライダーに満足をもたらす一台になり得るでしょう。
ただし、前述のとおり身体の痛みはフィッティングや柔軟性など複合要因で生じるものです。新車購入の前に、まずはプロショップでの現車ポジション診断を受けておくと、判断の精度はぐっと上がります。
次の週末、ショップで実車にまたがってみてください。
ハンドルに手を置いた瞬間、「あ、これなら100km走れるかも」——
その感覚こそが、あなたにとっての正解の証拠になるはずです。
1時間の試乗が数か月のカタログ研究よりも雄弁に答えを教えてくれます。
月曜の朝、肩こりなく目覚めるあの爽快さを、週末のライドが取り戻してくれるとしたら。それは機材への投資というより、これからの自分自身への投資にほかなりません。
参考文献
※本記事は、以下の資料・データに基づき作成いたしました。
※価格・スペック情報について 本記事の価格およびスペック情報は2026年4月時点のものです。最新の在庫状況や価格については、メーカー・各販売店の公式サイトまたは店頭でご確認ください。モデル年式や仕様は予告なく変更される場合があります。
※安全に関する注意:ロードバイクは車両です。道路交通法を遵守し、ヘルメット着用、適切な装備での走行を心がけてください。不安な場合は、必ずプロショップに相談してください。
- BikeRadar. (2024). New BMC Roadmachine ups tyre clearance to 40mm and introduces down tube storage.
https://www.bikeradar.com/news/bmc-roadmachine-2024 - Road.cc. (2024). BMC unveils revamped Roadmachine endurance bike with integrated frame storage, 40mm tyre clearance and mudguard mounts.
https://road.cc/content/tech-news/bmc-unveils-new-roadmachine-40mm-tyre-clearance-307715 - GRAN FONDO Cycling Magazine. (2024). First Test of the BMC Roadmachine Line-Up 2024 – One Name, Three Bikes!
https://granfondo-cycling.com/bmc-roadmachine-2024-review/ - Velo. (2024). The Third Generation BMC Roadmachine Is Suddenly a Lot More Capable. https://velo.outsideonline.com/road/road-gear/bmc-roadmachine-more-capable/
- GRAN FONDO Cycling Magazine. (2024). BMC Teammachine vs Roadmachine – Which Road Bike Suits You Best?
https://granfondo-cycling.com/bmc-teammachine-vs-roadmachine-test/ - Cyclowired. (2024). BMC Roadmachine より幅広い状況をカバーするエンデュランスロードへ正統進化. https://www.cyclowired.jp/news/node/388620
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https://bmc-switzerland.com/pages/platform/platform-roadmachine - BMC Switzerland AG. (n.d.). Fender Mount Kit Roadmachine.
https://us.bmc-switzerland.com/products/fender-mount-kit-roadmachine-bike-spare-parts-bmc-24a-000129 - BMC Switzerland AG. (n.d.). BMC Rear Light 25.
https://bmc-switzerland.com/products/bmc-rear-light-25-accessories-bmc-24a-000299 - 99 Spokes. (n.d.). Compare: 2023 BMC Roadmachine FIVE vs 2024 Roadmachine FIVE. https://99spokes.com/compare?bikes=bmc-roadmachine-five-2023,bmc-roadmachine-five-2024
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https://geometrygeeks.bike/bike/bmc-roadmachine-2024/ - The Pro’s Closet. (n.d.). BMC Roadmachine Size Chart. https://www.theproscloset.com/collections/bmc-roadmachine-size-chart
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